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野球部の俺がなんで異世界に行かなくちゃいけないんだよ!  作者: 綾小路 文麿
第一章 始まりの冒険
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第8話 新たな仲間

村から出て暫く歩いているとリリスに会った最初の森が見えてきた。

まだ数日しか経ってないのに暫く前の様な気がするのは色々あったからかな?


「リリスこの森を北に進んで抜けたらエルグラって町が見えてくるみたいだよ。」

「どんな町なんだろうね?」

と俺はリリスに話しかけてみた。

彼女はまだ両親を亡くしたショックで辛いだろう。

忘れるなんて事は、出来ないししなくても良い。

ただ女の心が癒えて少しでも前を向いて歩ければいつか彼女の中で、何かが変わるはずだ!

俺はその助けが出来ればいいと思う。


「結構大きい町で山と海がある港町だよ」

「王都に向かうデッカい船もあるんだって!」


「それは楽しみだね!美味しい魚も食べれそうだ」


「タクヤお兄ちゃんは食べ物の話ばかりだね」

彼女は少し笑みを浮かべて微笑んでる。


「森の入口だ!魔獣がいるかもしれないから気をつけて進もう。」

俺は念の為にバットを握り、ポケットにはボールを忍ばせて臨戦体勢を取る


「わかった!」

彼女も母親が使っていたらしい赤い宝石が埋め込まれたショートソードをいつでも抜けるように確認して返事をしている


しばらく歩くと獣の鳴き声の様なものが聞こえてきて犬型の獣が寝ている。


「ヤバいな、多分犬っぽい見た目だしあれがコボルトかな?」

「ゴブリンよりは強いよな〜」


「コボルトは鼻と足が速いし群で動くから厄介みたいだよ!」


「それじゃ囲まれる前に潰さないとダメかなー」

俺はボールを握ると草むらのコボルトらしき犬に向かって投げつけた!


「痛い!何やこれ、お前が投げたんか?」

その犬型の獣が喋りだした、日本語いや、関西弁なのか?

俺は東北の出身だからよく分からないが確かにこの喋りのニュアンスはテレビで観る◯本芸人と同じ様な感じだ。


「犬が喋ってる!」

リリスも驚いている。

やはりこの世界でも犬は喋らないみたいだ。


「お前は何者だ?魔獣なのか?それとも獣人みたいなやつか?」

俺は犬に問いかけた。


「何やお前は!人にボールぶつけて謝りもせんと魔獣扱いなんて失礼な奴やな〜」

「大体人に名を聞く時は自分から名乗るって習わんかったのか?」

「まぁこんな体だから人って扱いされなくてもしゃーないからな」

と早口で喋りだしボヤきだした。


「コボルトだと判断して軽率な攻撃して悪かった」

「俺はタクヤで彼女はリリス、エルグラって町に向かう最中だ。」

「それで君は何者なんだ?」


「ワイの名は……よく分からんのや」

「気付いたらこの身体になっていてな」

「なんか種族的にはフェンリルらしいで」


「フェンリル!!?」

リリスが驚いて声をあげる。

「リリス?フェンリルってなんか凄いの?」


「凄いのってお兄ちゃん何言ってるの!フェンリルっていったらドラゴンやユニコーンに並ぶ超凄い神獣だよ!」

リリスは興奮しながら説明してくれた


「で、その神獣がなんでこんな所で寝てるの?」


「それが兄チャン聞いてくれや〜」

「ワイ悪い事してないのに急に車に轢かれて死んでな変な女神に変な場所に連れて来られて」

「なんか死んだから人生やり直せるらしくて」

「どんな人生歩みたいかって聞かれてな」

「ワイは答えたんや、一匹狼で誰にも負けない強い男に生まれ変わりたいって……」

「そしたら生まれ変わらせてくれたのは良いけど

体がこの通り犬になっていたのよ」


「まぁ、災難だったな、その女神は見覚えが俺もあるから気持ちは分かるよ」

俺はフェンリルを撫でて慰めてやる。


「兄チャンあんたいい奴だな!」

なんかフェンリルは泣いて喜んでいる。


「所で野球って言葉知ってるか?」

「野球?そんなの当たり前やろ!ワイは三度の飯よりタイガースを愛してるんやで!」


(やっぱりそうか。

なんか話し方から雰囲気まで関西だからもしやって思ってたら転生者なのか)


「異世界転生って知ってるか?」

「俺もあんたも今はその状況に陥っているんだよ」


「やっぱりそうなんか…」

「ワイもそうなんじゃないかと思ってたんだ……」


「これからどうするんだ?俺とリリスはエルグラに着いたらエルフの集落について情報を集めてその村に向かわなければ行けない」

「同じ同郷だから手助けはしたいがこの森でフェンリルとして暮らすのか?」


「良かったらワイも一緒に連れて行ってくれへんか?」

「魔獣相手に話しても詰まらんしアンタなら話も合いそうだ!」


「俺は構わないが流石に町の中にはこのサイズは入れなくないか?」

超大型犬なフェンリル連れてたら町の入口で止められるし目立ちすぎるだろうと俺は思った。


「それは大丈夫や!スキル小型化発動!」

フェンリルの身体が光り輝くとそこには小さな子犬の姿になっていた


「子犬さんになった可愛いい〜〜」

リリスが小さくなった姿をみて喜んでいる


「どうや!ワイのプリティーモードや!」

ドヤ顔で喋っているがその容姿もあり貫禄は無い



「その姿ならなんとか誤魔化せそうだな

リリスはフェンリルと一緒でも良い?」


「もふもふで可愛いから良いよ〜」


「それじゃフェンリルこれから宜しくね!」

俺とフェンリルの小さな手と握手した


「ところでフェンリルて種族名なんだろ?」

「名前どうしたらいい?」


「前の名は捨てて新しい名前をタクヤにつけて欲しいわ」


「良いのか?それなら」


「フェルリ でどう?」


「フェルリ……悪くない!気に入った」


こうして旅の仲間がふえたのである

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