第6話 初めての魔法と初めての食事
「あれっ寝ちゃってたのか〜」
目を擦りながら欠伸をして起きたタクヤは外にでて宿の裏庭に居た
「それにしても時計がないから不便だよなぁ〜」
まぁ時間も地球と同じか分からないけどどうなんだろうか?
この辺りも後で調べなくちゃいけないなー
とりあえずは魔法使えるか試したいから雑貨屋に魔法書とかあるか見てくるかな。
雑貨屋を見つけ店主のおっさんに声を掛ける。
「こんばんは!」
「いらっしゃい」
「なんか探しもんか?」
「魔法書みたいなもん無いかい?」
「魔法書なんて上質なモンはこんな田舎にはおいてねぇよ。」
「あっても子供向けの入門書ぐらいだな。」
奥の棚から店主は持ってきた本には【魔法の使い方入門 初級〜〜これで皆んな魔導士だ!】と書いてある可愛らしい表紙の児童書みたいな本だ。
「コレは幾らするんだい?」
「コレは子供でも使えるような初級魔法とかしか書いてないけど、あんたの子供にでもプレゼントするのかい?」
「知り合いの子にお土産として渡そうかと思ったのさ。」
「なら銀貨2枚でどうだい?あんまり売れないし安くしておくよ。」
「それじゃ、買うかな。」
俺は目当ての品が買えて安堵したが中身に些か不安もある。
この世界は結構色んな魔法を誰でも使えるみたいだな。
宿の裏庭に戻ってきたタクヤは入門書を見ながら色々試してみた。
「ヒール!」
ほんのり手が光り、暖かくなって最初の戦闘でついた擦り傷が癒えてくる。
「流石!慈悲の女神の加護なだけあって回復魔法は使えるのか?」
「ファイヤーボール!」
何も起きないし手も光らないから使えないのか〜
色々試したが、攻撃に使えそうなの無いな。
回復、生活魔法あたりは大体使えたが、魔力制御の練習したら使えるようになるかな〜
魔法を駆使して闘う姿を想像すると楽しみになり、日課の素振りも捗るようで調子良い!
腹が減ってどうしようもなくなり、食堂を覗くと女将さんに声をかけられた
「夜ご飯の用意は出来てるけどもう食べるかい?」
「待ってました!腹ぺこで死にそうだったから助かった〜〜」
「なら大盛りサービスしとくから沢山食べな!」
「ありがとう女将さん!美味そうだな〜」
美味しそうなポトフみたいなスープといい焼き色の厚いステーキが運ばれて来た、付け合わせにマッシュポテトなんかもありパンも焼きたてらしく香ばしい香りが辺りに立ちこめている。
「美味な〜この宿にして良かった。」
「お世辞でもそう言ってくれると嬉しいね!ゆっくり食べな!」
女将さんは忙しいそうに他の客の配膳を始めた。
(異世界だから食べ物心配だったけどこの美味さなら、なんとかやって行けそうだな!)
異世界で食べる始めての食事に満足したタクヤは布団を被り、明日からの冒険に不安と魔法や冒険に楽しみでワクワクしながら眠りにつくのであった。