第4話 小さな出会い
「近くによって来ないで!!」
彼女はその小さな身体を震えながら小さな短剣を手に震えていた!
だがその姿を嘲笑うかのようにゴブリン達はまた一歩彼女に近づいていた。
「この!えぃ!やぁ!」
小さな手で剣を振っているが全く当たる様子はない。
「グアゲャ」
叫びながら一匹のゴブリンが彼女の目前に迫っていた
「クソ!走っても間に合わない!」
こうなればヤケクソだ拓也は右手で袋から野球ボールをゴブリンに向けて投げつけた!
「当たれーー!!」
投げたボールは真っ直ぐゴブリンの頭目掛けて飛んでいき見事にぶつかった!
「よし!これで気を引けたはずだ!」
あとは近づいてバットでぶん殴れば何とかなると思って球が当たったゴブリンをみると頭が吹き飛んでいた。
俺自身もボールで一度死んだわけだしなんか居た堪れない気持ちになったが相手は魔物だ!
気にしてもしゃーない。
でも明らかに今の球はメジャーリーガーも真っ青なレーザービームでスピードも165キロとかのレベルじゃない気がする。
走り様に残りの2体のゴブリンもバットで倒して震えてる彼女に声を掛ける。
「君大丈夫?怪我してない?」
彼女は泣きながら頷き小さな声で呟いた
「大丈夫、助けてくれてありがとう…」
その彼女の姿を見て俺は驚いた!
彼女は綺麗な金髪のツインテールで紅い瞳をしていて耳が少し長く真っ白な肌をしている美少女だった。
「どうしたの?私の顔に何かついてるのお兄さん?」
「いや、旅をしているんだけど久しぶりに人にあったからちょっと緊張して…」
「そうなんだ〜私はハーフエルフのリリスって言います!」
「助けてくれてありがとう!お兄さん!」
「俺の名前は拓也だ!」
拓也はこの時考えた、俺の名前は余りに日本人しすぎておかしいという事に、変な奴らがこの国を狙ってるって話らしいのに如何にも転生者って名前はマズイ。
「タクヤか〜東の国から来たの?」
「東の国の人はみんな黒髪で黒い瞳だって昔ママが教えてくれたの!」
「そうだね確かに俺の国は俺みたいな奴が多かったな」
良かった、上手く誤魔化せた!これからは東の国出身にしとこうかな。町に着いたら東の国についても調べておこう
「所でリリスはこんな森の中で何していたんだい?」
「私はね!お母さんが病気だから薬草を見つけて治してあげようとしたんだけど…」
「ゴブリンに囲まれて…」
「そうなのか〜薬草は見つけたのかい?」
「うん!いっぱい見つかったよ!これでお母さん治るかな〜」
俺はその小さな少女がニコニコ笑ってる姿を見て助けられて良かった!と思うのであった。
「お家は何処にあるんだい?」
「森を出てすぐ近くに村があるよ!」
「ならそこまで道案内してくれないかい?」
「俺も町に向かっていたんだけれどもう暗くなりそうだし村の宿屋にでも泊まりたいんだよ」
リリスに会えて良かった!
これで野宿しなくて済む。
今の俺が野宿なんかした日には明日には魔物の餌になりそうだし。
「いいよー!」
「タクヤお兄ちゃん着いてきてねーー」
こうして俺とリリスは村に向かって歩き出した!