第2話 初めての魔獣
転移した光から目を開けるとそこには一枚のメモと袋があり、辺りは広々とした草原が広がっていた。
メモを見てみるとそこには
(櫻井拓也さんへ
異世界は魔獣が居て危険なんでとりあえず近くの町に行ってね!
暫く生きていくために必要なお金と装備品はその袋に入れてあるからね!
あとその袋はアイテムボックスになってるから便利です。
言語認識とかのスキルも付けといたから、魔獣倒して暫くはレベル上げてね!あとステータスオープンと唱えれば自分の能力が分かるよ!
貴方の愛する慈悲の女神 エイルより)
「本当に身勝手な糞女神だな…あと愛してないし、なんとも思ってないからな!俺はもっと巨乳な子が好きだ。」
拓也は頭を抱えながらふと袋の中に手を突っ込んでみた。
確かに袋の中は広さが分からないほど広く変な感じがした。
「確かに色々入ってるな」
袋の中身を出してみると中には金貨が20枚とここら辺の地図らしき手書きの紙に町までのルートが描かれていた。
そのほかにはこの世界の服らしき物と小さなナイフ、火打石やロープなどもある。
「とりあえず野球のユニホーム姿だとおかしいし服を着替えるか」
着替えが終わり、拓也はある事をするのを忘れている事に気づいた。
「ステータスオープンだっけか?」
櫻井 拓也
17歳 レベル:1
種族:人間 転生者
加護:慈悲の加護
性能:体力B, 筋力B, 魔力F, 敏捷C, 運G
【スキル】
言語認識、ステータス閲覧,投擲、打撃武器特性
【アイテム】
解体ナイフ
ロープ
火打石
ユニホーム
【装備品】
ヘルメット
普通の服
スパイク
グローブ
ボール
金属バット
「なんだこれ!」
「運Gとか…確かに野球ボールで死んでしまうようなやつは運なんかないよな」
「武器になるのはやっぱりバットだけかー」
「バットて打撃武器なんだよな?」
拓也はとりあえず疑問に思う事を考えるのはやめて地図に書いてある町の方を見下ろして歩き出した
「ガサガサ」
なんだ?
暫く歩いてから草むらからなんか物音が聞こえ、緊張しながらバットを握る手が汗ばむのを感じながらよく目を凝らして草むらをみると…
そこにはファンタジー定番のゴブリンがそこに居た。
緑色した肌色に長い耳でボロ切れを体に纏って手に小さな短剣の様な物を持っていた。
「ギァオギュル」
となんかよく分からない言葉を叫びながら向かってくる。
(ヤバい!ヤバい!死ぬ!)
俺は心の中で叫びながら必死に走り出し逃げ出した。
一般人で喧嘩もした事なく野球一筋の元高校球児にバットで人に近い形の物を殴るのはなかなか出来ないだろう。
「誰か助けて!!」
そう叫んでも近くに誰も居ない。
それどころかゴブリンは仲間を呼び三匹に増えていた。
「ギャァグァ」
そのうちの一匹が向かってきた。
(やらなければ殺される!)
殺すしかないんだ!
コイツは魔物で俺は勇者なんだ!
そう奮い立ち俺はがむしゃらにバットを振る。
偶々だろうがゴブリンの頭を潰してバットは緑色した血だらけになる。
「やったのか!」
俺は喜びながら更に気を引き締めて残りのゴブリンを睨み付ける。
「グァァ」
「ゲアコァ」
ゴブリン達は顔を見合わせてて動揺してるようだ
そして二匹で示し合わせたように俺に向かって来た。
俺は思いっきり力を入れて横にバットを振ってみたが間合いが遠かったので、当たりそうになかったがバットが光り出し伸び始めて思いっきりゴブリン二匹にクリーンヒットして吹き飛ばしゴブリンの身体はバラバラになっていた。
「やった倒せたぞ!」
俺もやれば出来るんだ!
拓也は初めての魔獣討伐を果たして安堵と興奮で地面に寝っ転がっていたら【レベルアップしました】
っというアナウンスが頭に流れてきた。