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安アパートと宇宙船  作者: 世も据え置き
第七章 宇宙船の身体検査
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第一話  俺氏、金策パート2①

 以前、成穂さんがウン百万するネックレスの複製を、どこからともなく出して見せた。

 それが俺の記憶に強く残った。

 

 つまり、

「宇宙由来のよく分からないものを売るよりも、そこらの高価な物を複製して売った方が儲かるんじゃね?」

 ってことだ。


「……人類が高価であると判断する物は大抵、その希少さではなく流通ルートを意図的に絞られた――」

「すとーぷ、すとーぷだよ成穂さん」

「……」

「いやね……分かる、分かるよ言いたいことは。あれだよね、あれ」

 石油が枯渇するする詐欺とか、ダイヤモンドは人工ダイヤで既に再現できるとか、まあそういうことだろう。

 

「でもね、あるのよ。本当に希少で、しかし庶民でも手に入りやすい物が……」

 それはつまりだ。

「金、元素記号はAuです」

 駄目だよ成穂さん、それは駄目。決め台詞を言っちゃうのは駄目だよ。

 

「主は金をお持ちなのですか」

「持ってないよ」

「ではどうするのですか」

「んふふふふ……焦らしちゃって。成穂さん持ってるでしょ、宇宙船なんだから」

「機動艦です、持っていません」

「……あれ?」


 あれ? 持ってない? マジで?

 おかしい。

 一度過去を振り返ってみよう。成穂さんが起こした数々の破天荒な行為を思い出すのだ。

 特に宇宙船で出来る事だ。

「機動艦です」


 まず、成穂さんは瞬間移動的な方法で何時の間にかに本体である……なんだっけ?

「宙空界面機動艦、No8903745―DD……成穂です」

 そうそれ、そこに行くことが出来る。

 そして宇宙船はとてもでかく、俺はそこに謎の扉をくぐって行けるということだ。初遭遇では便器だったけれどな

 その他の宇宙船の特徴として、

 リフォームが簡単に出来る。

 食堂の料理が美味い。

 あとアトラクションを窓に映せる。

 ……それぐらいかな。

 

「あれ思ったより大したことない?」


 なんかもっと凄いことをしていたような気がするんだけどなあ。羅列すると意外と普通にSFな宇宙船て感じだ。

 なんかもっとこう銀河系パワー的なものとか……人体に影響を及ぼすようなナニかが出来たような……。

 記憶操作の能力は? ……あれは成穂さん自身がやっているから宇宙船と関係ないか……いや待てよ、初めて乗った時凄いものを見て、ナニかされ――

「主は金策をするのではありませんでしたか」

 ――おっとそうだった、脱線していたぞ。

 

 まあ宇宙船は大したことないとしてもだ。それでも直近のネックレスを複製できる成穂さんの能力は空前絶後のチート能力と言って差し支えない。

 ああ~俺が異世界行ったときそういう作成能力とか付けててくれたらなー。あーそれでもあの異世界はもう願い下げだなー。

 また話が逸れました。

 

 つまり重要なのは二つ。一つはどこでもドア的なものと瞬間移動で宇宙船を行き来できるらしい事。

 そして料理を出す食材、ネックレスを作れる資源等。様々な物資が積まれているということだ。

 

 まあ要するに、貴金属を複製できるのだから、金もプラチナも出せるということだ。

 あのネックレスの素材は金とプラチナ、あと赤い宝石。それだけでも凄い価値だ。

 宝石は価値が素人では分からないが、金は簡単だ。重さでその値段が決まるのだから。

 

 結論。成穂さんは金(物理)を沢山持っている。



「だから金頂戴」

「ありません」

 ……あれー?

「前にネックレスを出したじゃないか」

「出しました」

「だからその材料をあの宇宙船に積んでいるんだろ。でそれを使って複製――」

「金もプラチナもあのネックレスは素材として使用していません」

 あれれー?

 

 *

 

 ちょっと考えてみた。

「……もしかして不味いんじゃあないか?」

 成穂さんの言っていることが本当だとしたら、あのネックレスは間違いなく贋作、偽物だということだ。

「背中に手が回る」

 バレれば背中越しに手錠を掛けられる、つまり捕まるってことだ。

「不味くない?」

「何がでしょうか」

「いやさ、あの宝石店の店長に幾つか渡したんだよね、あのネックレス」

「はい」

「あの店長、今牢屋の中だよね?」

「正確には拘置所です」

「あ、はい」

 ……不味くね?

 

「やばいよ……俺達も捕まっちゃう」

「何故でしょうか」

「だってあのネックレス偽物なんだよ! 詐欺師だってなっちゃう!」

「私は金銭を受け取っていません」

「それでもだよ! あんな数のネックレス。しかも偽物の! ああ、お巡りさんが見たらそりゃ協力者を疑うよ……

「偽物だと判りません」

 ……うーん……確かに宝石店に勤めていた人が偽物だと疑わなかったからな。贋作でも完成度だけなら凄いということだ。

 でも犯罪捜査の検査なら分からない。さらに正確に判定出来る装置とかがあるかもしれない。

 

「そうだ指紋だ!」

 成穂さんの指紋が採られてしまった可能性が高い。

 

 成穂さんは宇宙人。国籍もなければ住民票もない。ということはどういうことか……?

 警察は国際犯罪組織の可能性も含めて捜査を開始する⁉

 

「国籍も、戸籍も、住民票もあります」

「あるんかい」

 見せて貰った。

 確かにどれも本物っぽい。パスポートなんて俺も持っていないのに……。

 戸籍は俺の再従妹になってるらしい。俺にとっては知らない親戚の子供に変わりがないが。

 成穂さんが、必要ならば自分の親もその親も用意できると言っているのが非常に怖い。


「なるほど……ってなおさら指紋採られたら不味いじゃないか!」

「指紋は採られていません」

 っく、やるな成穂さん。

「ってことは……後、問題なのが、人の証言だな」

「すべて対処済みです」

 や、やるな……成穂さん。

「えーと……店長も、目撃者も俺らのことは喋らないと?」

「存在しない人物像を探すでしょう」

 ……怖い、怖いよ成穂さん。

 

 ということで、話が脱線して前回の問題は解決した。

 手元に残った唯一のネックレスも箪笥の肥やしだね。ぐすん。

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