第13フィールド 枯葉の森 禁境地
【第13フィールド 枯葉の森 禁境地】
「やあっ!!とおっっ!!それっっっ!!!」
バサッッ バサッッ バサッッ!
一体、二体、三体…十体、十一体…。ボクは無我夢中になって敵を斬っていく。
容赦しないで次から次へと敵を討つ。ここはプレイヤーはあまり立ち入らない、禁境地。
チュートリアルを一昨日やっと終え、装備もろくに整っていないボクにはかなりきついものがある。
「おあっっ!!とおっっ!!」
変に威勢の良い、恐怖感と疲労感を空回りした掛け声と敵を斬る音だけが静かな森に響き渡る。
もうそろそろ限界だ…。体力も底を尽き、HPも残りわずか。このまま死んでしまったほうがましだ…。
でもこのゲームにクリア以外のゴールなんて存在しない。HPが0になると、プレイヤーは1からまたやり直しさせられ、今まで積み上げてきた経験値やスキル、記憶から何から何まで全て自動的にリセットされ、ゲームクリアするまでそれが永遠と繰り返される。記憶がない分、また初心からプレー出来るって訳か。よく出来たゲームだよ。さすがβテストだよな。…って、なにを感心させられている場合か。そんな虚しい話あってたまるか。つまり、ボクが今の状態で死んだとしてもまた3日後にでも同じ光景が繰り返されるだけ…。裏を返していうとこのゲームは…。"死ぬ"ことさえ許されないのだ。
グサッッッ…!!
「う‶っ…!!」
突如背中に激痛を覚え、ボクはよろよろとその場に崩れ落ちる。
意識が朦朧とする中かすかに見える巨大な木の形をした敵の大群。
そうか…、ボクは今囲まれているのか。
どうやら、この背中の激痛は、この敵に攻撃されたもののようだ。
気づけば自分のHPゲージが残りわずか3と表示されていた。もう諦めるしかないのか…。このまま最後の一撃を食らい、記憶と諸々全てとを引き換えに、死んでいくのか…。
そう目を閉じかけたその瞬間、
「くらえっっ!!!」
バサッッ バサッッ ドッカ―———ッッンッッ!!!
「…たす…か…っ…。」
ボクはそのまま気を失ってしまった。
こんにちは!流れ星です☆彡
いよいよ本格的にストーリーが始まってきましたね…。これから一体アユラはどうなってしまうのでしょうか。次話が気になりますね。さて、話は変わりまして。皆さんの中には、もうすでに、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、これはとある無料オンラインゲームアプリをモチーフにした物語です。私もずっとやっている大好きなあのゲームを思い出しながら、自分だったらあのときああしていたかな、こうしていたかな、とフィクションとノンフィクションをうまい具合に融合させて物語を書き進めています。皆さんもどんどんこのゲームの世界に入ってきてくださることを願ってあとがきとさせていただきます。引き続き、応援よろしくお願いします!