意思疎通
「私はシルヴィアといいます。こちらは、ブルーブ。私たちは、西のルーゴ村が逃げてきました。」
まだ、ところどころ固有名詞を中心に理解できない部分があるが、ライトはかなり会話を理解できるようになってきた。
「逃げてって?」
「昨日、村が魔物に襲われ、こちらに逃げてきたんです。」
肩を落として続けた。
「迎え撃とうとしたのですが、魔物の数は多く守り切れませんでした。逃げ遅れた多くの村人が殺されたと思います。私たちは、運よく逃げることができました。」
「みんな、やられちまったよ...」髭の男も肩を落として言った。
(魔物って、あれかな?ファンタジー映画に出てくるようなモンスターかな?)
ライトは興味深く聞いていた。
「この呪われた塔の近くには、魔物も近寄らないので、ここに隠れていようと思ってました。」
「するとどうだい、奇妙な出で立ちをしたお前さん方が現れて、言葉も通じないし魔物だと思って。特にあんたゴーレムだろ?口がないのにどうやって声を出してるんだ?改心した魔物か?」
「ゴーレム?いえ...魔物ではありません。私の名前はライトといいます。あの塔に住んでいました。」
ライトは上層部が燃えている塔を見た。
「塔から出てきたのですか?この塔には近づけないはず。」
フードの女は少し驚いたようだった。
「いえ、塔から歩いて出てきましたよ。その呪いは今はないと思いますよ。」
ライトは、タワーの防御システムが停止していることを思い出した。
「まだ完全に信じたわけじゃないが、ワシたちは困ってるんだ。このままじゃ、雨露も凌ぐこともできやしねぇ…あんた人間じゃないみたいだけど、あいつとは違って言葉が通じるし、なんとか助けてくれや。」
チラッと、パイロットスーツの男をブラーブは見た。
「おい、何話してるんだ。」
チラ見されたことが気になりパイロットスーツの男は、ライトに尋ねた。
「彼らは、住んでいる村が魔物に襲われ、逃げてきたらしいです。助けてくれと言ってます。」
「ちょっと待ってくれよ、、、助けてほしいのはこちらの方だよ。こんな辺境の惑星に不時着して、救難信号出したけど、応答がないし、野蛮な髭に斧で威嚇されるし。それに魔物ってなんだよ。オレやだよ。白兵戦なんかやったことないよ。」
少し太ったパイロットスーツの男は、どうも運動が得意でないみたいだ。
「あなたも困ってるんですね。わかりました。交渉してみましょう。オレもこれから何をしたらよいのかわからず困っていると言えば困っています。」
ライトは、シルヴィアとブラーブにパイロットスーツの男の境遇も伝えた。その結果、この三差路でお互い近寄り、焚火の周りに円になって座り、ライトが通訳しながら全員で話し合いをすることになった。
投稿量を減らして、投稿間隔を短くしようと思います!