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賢者の塔  作者: あんにゃのパパ
第一章:出会い
7/16

脱出

かなり間が空いて、久しぶりの投稿となりました。

 あれだけ突破することに難儀していた10層の扉は、ライトが近づくとスムーズに自動で開いた。


「うわぁ、簡単に開いた…今までの苦労は何だったんだ…」


 10層の扉を通過後少し進むと、通路の幅が急に大きく広がった。広くなった通路の両端にはレールが敷かれ、その内側には、動く歩道があり、中央部分は何もなく、遠くの反対側の扉まで見通すことができた。レールは透明の薄い板で囲まれ中に入ることはできなかった。レールは何か物資を運搬するためのものと感じられた。また、ライトの眼には、通路の幅が12m、反対側の扉までの距離が500mと自動認識した情報が表示された。


 赤く照らされて、サイレンが反響する通路は、何か危険な感じがした。

(これが映画なら必ず罠がありそうだ...)

 これまで見た映画のシーンを思い浮かべながら、レーザ簡易銃を両手に抱え不安に思いながら警戒しつつ進んだ。しかし、結局何もおこらず、反対側まで安全に行くことができた。反対側の扉からメインタワーの地下3階に入ると、濃い緑をベースとした機能的な作りとなっており、居住区とは色調や構造が明らかに違っていた。アルファ居住区への扉には大きくアルファと記載されており、両隣の扉には、ベータとゼータと記載されていた。このフロアーや別の居住区を調査したい気持ちもあったが、先を急ぐのが先決だと考え我慢した。フロアーの外周上にエレベータが存在していたが、機能が停止していたため使えなかった。代わりに同じく外周上に設置されている非常階段で地上階まで上がることにした。


 地上1階に上がると、フロアーの中央部分に部屋はなく、天井までの高さがこれまでのフロアーの数倍はある広い開放的な空間であった。外周の壁面に人のためと思われるエレベータ8台の他に、中型と大型の資材用エレベータが二つ設置されていた。中型のエレベータには、コンテナが3つほど積まれたままになっていた。


「さて、どうしようか…」

 ライトは呟き周囲を見回した。

 この地上1階には、高さ10m幅12mの大きな外側へ向けた扉が存在感を誇示していた。そのすぐ横に小屋があり、小屋の側面の窓から中を覗うと、人がメインタワーの外に出られるように扉があるように見えた。エレベータは停止しているが、外周壁面の非常階段を上ることによって、上階に行けそうであった。しかし、小屋の発見によって、アルファの修理/復活や、消火活動のためメインタワーの非常階段を上がっていくことより、外に出ることができるかもしれないという希望が生まれ、結局その誘惑に負けてしまい、小屋の調査をまず実行することにした。


 小屋は、外の大型の扉を監視や操作するのが目的の部屋のようだった。大型の扉を監視する透明な窓の下にある操作盤に、通用門と書かれた金属製のハンドルが設置されており、左方向に開、右方向に閉と記載があった。これを回せば、扉のロックが外れ、外へ出ることができそうな構造のようであった。この操作盤にはアルファ居住区の管制室で見たモニターも表示されており、ずっとタワー全体が赤く点滅していた。


「もしかして、本当にタワーから出られるかも、、、」

 ライトは決心して、凝視していたハンドルを握り、左方向に力強く回した。すると、小屋の中の扉の上部の警告板に記載されていた閉鎖中の文言が消えた。その扉の小窓から除くと、その扉の外はまだタワーの内部であり、タワーの外部と小屋の外の間には5mほどの空間があり、外に出るためにはもう一つの扉を通る必要があった。ライトが近づくと、どちらの扉も自動的に開き、遂にライトはタワーの外に出た。


 メインタワーの外は、薄暗かった。タワーの内側からも確認できた大型の扉をタワーの外からも確認することができた。今いる位置を基点にタワーから離れる方向にまっすぐ綺麗に整備された砂利道がのびており、それ以外の部分は草木が鬱蒼と茂っており、低木がわずかに生えていた。草木からは小鳥のさえずりや、動物の気配を感じた。メインタワーを見上げると、上の方で激しく燃え煙があがっていた。メインタワーから出るためのライトが通った扉はすでに閉まっており、出入口の痕跡はなくなっていた。再び入れるか確認したかったが、時折タワーの上部で爆発が起こり、タワーのそばにいると、落下物の直撃を受けそうだと、身の危険を感じたこともあり、いったんメインタワーから離れて周辺を探索してみることにした。

 ライトが、アルファ居住区の管制室で得た知識によると、タワーから3kmほど道がまっすぐ続き、タワーを中心とした半径3kmの円周に沿って道とつながっているはずだった。なお、その円周の外側の情報はタワーでは得られなかった。


 数分間、夕暮れ時の砂利道をタワーを背に歩くと、前方遠くに小動物とは明らかに異なる複数の気配を感じた。ライトは少し警戒の度合いを高め、さらに進んだ。

とうとう外に出すことができました。

これから、本編?が始まります。


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