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異世界を滅ぼすなんてとんでもない。~それならハーレム作るわ~  作者: 笹倉亜里沙
宗教国家の崩壊とエルフの少女
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名前の存在感も薄い勇者達



えろいこともしたいが強くならないといけない。


あれから俺達はとりあえず何をするにしても金を稼ぐべきだと件の町に来ていた。そこにあるギルドで登録して、一気に稼ぐ。そこまでは良かったのだ。そこまでの進路予想図はな。


レベル1だが最強というのはある意味ステータスだ。むしろ誇るべきだ。もっと強くなれるんだから。だが世間はそうはいかなかった。大体ギルドに行けばレベルごとに初期のランクが振り分けられるのだが、俺はものの見事にレベル1。結果は最底辺。スライム君こんにちはー。残念ながらスライムくん討伐すら許されないけどな。



『儂より馬鹿じゃよ、わはははははは! ぶべらッ』


煩い奴を次元越えパンチ(略称)でとりあえずぶん殴り、俺は今日も採取クエストをこなす。『なんか最近儂の扱い雑じゃない……? 』なんか聞こえてるが無視だ無視。達成量の倍以上の量を持ってくるから最近では好評となっていた。草が生えているとかいうレベルではない、草が生い茂っている。なんも面白くねえわ!


金がねえ。


金が無いから行動出来ねえ。生活費というのは馬鹿にならないもんだ。金かね金かね金金金金金。金の亡者と言われようと構わない、誰か五千兆円くれ。今なら金持ちの靴を舐めれる。高慢美少女の靴限定だが。しゃぶれ下僕とか言われてみたい。


『冷静にここはお主のいた世界じゃないから使えんじゃろ。第一、どこに行くつもりじゃよ。当てがあるまい。逃亡するにしてもお金というのは必要じゃぞ? それにお主の大好きな美少女の話なんぞこんな辺鄙な場所に来るまいて』


「だからこうして働いて金を稼いでるんだろ。都会に行けばもっとマシな奴がいるさ」


『うーん……、お主。変な所で真面目じゃのう、そこら辺の金持ってそうな女でも抱いてしまえばいいのにのう。そうすればお主の欲もちょっと解消出来るし、何より旅立つ駄賃にはなるじゃろ』


「馬鹿が! ただ可愛いだけの女を抱いて何になんだ! 俺は美少女とニャンニャンしてえんだよ!! しかもとびっきりの美少女かつ複雑な事情を持ってそうな奴だ! 大体エルフ御用達の町じゃねえのかよ!! エルフと会わねえじゃねえか!! 」


『そういえばそんな事言っておったのう。お主が出しているれいぱーおーらに怯えておるのではないか? 」


「ばかな! 俺と目が合った奴は全員俺に好意を持ってるんじゃねえのか! 」


『自意識過剰がすぎるのじゃ! ……というか、仮にも魔王なんじゃから儂の子孫小間使い扱いしないで欲しいのじゃが』


何のことかと思えば、適当な薬草を採集する俺の目の前に影が差している。



見上げれば銀の髪を空へ透かす少女がいた。アニェラか。


ゴスロリ姿では流石に目立ちに目立つので、少し白のフリフリを付けたワンピースを着て貰っている。それでも本人を際立たせるドレスと云わんばかりにアニェラに似合っていた。純白の天使と言えばいいのだろうか、おおよそ魔王に似つかわしくない可憐で儚く美しい姿となっている。けれどそれをいえばきっと照れるに違いない。


「……聞こえておるぞ」


外に出た事があるのか分からないくらいに美しく繊細な肌をほんのりピンク色に染め、困り顔を浮かべるアニェラ。彼女は照れる様子がめちゃくちゃ分かりやすい。そこまでいい反応を毎回返されると言いがいがあるもんだ。


「浮ついた言葉をかけんでもいい! お疲れ様なのじゃ」


「おう、お疲れ」


そこまで言うと、溜息を軽くついて嬉しそうな表情を浮かべた。


「……しかし、意外なのじゃ。お主、てっきりこういう地味な作業は嫌いだと思っておったのじゃが」


「嫌いも嫌いだ。というかお前何自分は慣れているフリしてるんだ? ギルドに行ったはいいものの迷った奴は流石に初めて見たぞ」


「ぬ、ぬぬぬぬぬぅぅぅ」


あ、恥ずかしさとかが度を過ぎた時この目を回す奴演技じゃなくて素だったのか。


この町に来て初日にギルドへと意気揚々と向かっていくこいつに付いて行ったら、何故かギルド内で迷子になるという珍事件をおかした。しかもそれだけならともかく、肝心のギルドについての知識もかじった程度。俺が代わりに説明を一から聞いていなかったら一体どうなっていたか。


まあそれでもやはりギルドの存在自体も俺のいた世界とそこまで大差が無く、一般的に想像できるような簡易のギルドだったのだが。


最初にランクを図る紙に手を置いてランクを測り、ランクごとのクエストの受注。クエストを何回か受けてレベルが適正まであればランクの昇格が自動で行われ、更に高報酬高難易度のクエストが受けられる。細かい所は俺自身があまり興味が無かったので聞いていなかったが、大まかはこんな感じだった。


これだから世間慣れしていないお嬢様は困る。今アニェラがやっていた事も、俺が受けて俺が説明を聞いてやれた事だ。


「俺は苦労してると思うんだが、それに見合った報酬を受け取っていない」


「それなら、妾は別に抱かれてやってもいいぞ。別に好意も何もないものでよければの」


「ぐ、グググ……」


少女の所々が膨らみかけの身体に興味がない訳ではない。いや、むしろ興味がある。ロリコンじゃないぞ。なんていうか美しい陶芸品を壊してしまうような倒錯的な気持ちを抱いてるみたいな感じだ。汚らしい欲情といった処だろうか。


『たぶんそれをロリコンというのじゃと思う』


じゃあ別にロリコンでもいいや。


どんな風に啼いてくれるのだろうか。どんな風な表情を浮かべてくれるのだろうか。どんな気持ちを抱いてくれるのだろうか。きっと最中だったとしても彼女は誉めれば照れてそっぽを向いてくれるに違いない。


だけど、そんな簡単に手に入れ欲していいもんじゃない。……一瞬で冷めるに決まっている。


「ふふ。そうやって素直に分別する所は好意を持てるのじゃがな」


「じゃあ」


「そういう所が嫌いじゃと言って居るのじゃ。男ならば一筋で行かぬか」


ぷいと視線を逸らし、「先に宿に戻っておるからの」とだけ言って本当に先に行ってしまった。



『はァァ、どうなってるのじゃ。儂の子孫、チョロすぎじゃないかの。たかだか一週間ちょっと一緒におっただけじゃろうにあれほど心開きおって』


このほざいてる奴にもあの子の爪を煎じて飲ませたいもんだ。それに心開いているのとは違う……、そう見えるだけで実際には何一つ俺に気を許していない。最低限険悪にならないようにしている。興味が無いと言っているようなもんだ。


好きの反対は嫌いではなく興味が無いだ。



『何で儂が元自分の体の一部を飲まなきゃいかんのじゃ』


逆にどうやったらこのキチ○イからあの子が生まれてきたんだ? 宇宙の神秘だ。


『儂がキチ○イじゃなかったらそもそも生まれんじゃろ』


キチ○イに正論を言われた……。


とりあえず採取自体は終わったので帰る前に修行でもやりますかね。


俺は納刀したままの聖剣を軽く振る。肩身離さず持っている俺の相棒だ。


『? 何故じゃ。何もない相手に素振りなど続けてもレベルは上がらぬじゃろう? 』


「確かに俺のステータス上のレベルは上がらんが、熟練度自体は上がるんだよ。こっちでも同じかは分からんけどな」


『かっかっか。イヴァリスでは基本的にお主が生きていた世界と文化とかが若干違うくらいじゃ。そういったすてーたすしすてむは同じじゃよ。……あれ? というかこの説明最初にしておらぬか? 』


「そうか、年だからボケてんだろ」


実はお前の鼻水のせいでよく聞いてなかったなんて言えない。



『なぁッ!! 儂は永遠の十八歳じゃぞ!! その後にぷらす一万なんちゃら年ついてくるだけじゃ!! 』


鯖読みってレベルじゃねえぞ。



はあ、それにしても面倒臭い。


神装武器ジェラシー。保有した能力は嫉妬すればするほどレベルを引き上げ、その上更に対象のレベルを奪い取る。それを利用して俺のレベルを1にしたのは良いが。まさか、技の熟練度レベルまで下げられているとは思っていなかった。


熟練度。それはスキルレベルといっても他言ではない。ただの技一つや魔法一つでもその熟練度レベルが違うだけで威力や範囲、果ては効果が全く変わってくる。


大体のスキルや魔法は覚えた瞬間にレベル1からスタートし、10になればカンストだ。カンストすれば決してターン数が短くなったりはしない。だが1と10とでは遥かに差がある。


前回スクラダを殺すのに使った『始まりの太刀』。あれは全ての剣熟練度をカンストまで上げたら覚えるスキルなのだが、それすらも1になっていた。もしも10だったならスクラダを斬る所か俺が視認しうる場所まで斬る事が出来た。ただ一直線に斬るだけのスキルだが、初見では間違いなく必殺の技だ。初見殺しもいいところだ。


幸いだったのが熟練度レベルが下がっているだけで、それまでに覚えた物は消えていない事だ。必要条件は満たしてはいないが、解放だけはされている。


……まあ、こんなものを覚えていてもあまり意味はない。モンスター相手なら必要かもしれないが、対人においてはあまり意味が無い。


ただでさえ俺の『始まりの太刀』といった初見殺しの技で溢れているのだ。一撃必殺とは言葉にすれば安いが、相手もそれをしてくるのだ。実質即死技バトルなのだから、技の種類などあまり意味はない。それにそれを防ぐようなクソスキルやクソ魔法だってある。こっちでそれをしてくる奴がいるかは分からんが。


『なんせお主999じゃったしのー。そこまで辿り着いたら大体そうじゃろうよ。自分対自分の戦いなんて考えた所で仕方がないじゃろ』


さらっと俺の思考を読むな。


『然らば、何故いるかもわからぬ敵の為にそなえてるのじゃ? 今のままのお主でも十分敵はおらんじゃろ』


「そりゃお前、育成出来るなら最強を目指したくなるのが人間だろ」


『……』



「なんか言いたげな沈黙だな、おい」


俺は振り続ける。ぴろぴろりーん。間抜けな効果音と共に剣の熟練度が上がった。



★剣の熟練度が1から2へと上がった。



流石に1から2は早い。素人からちょっと使ったことがあるくらいになった。


『確かにお主は強さを求めておるじゃろうよ。じゃが、そこまで××××への想い入れが強いのかの? 自分のせいで助けられなかった少女の事を』



「……は? 」



思わず、手を止めてしまう。



何でお前がそれを知ってるんだ? いや、そういえばこいつ先週くらいに俺の事を知ってるみたいな事を匂わせてたな。



『儂は神じゃ。ほどよくテコ入れして、余計なことをほじくり返す者じゃ。……そこまでストイックになるほど、お主は入れ込んでおったのか? くひひひひひ』


「あー、スズね。確かにそれも理由の一つだな」


『あーーーーーーーーーーーーーーーーーのおおおおおおおおおおおおおおッ!!? 儂の話聞いておった!!?? 儂わざわざ伏字で言ってたのに!! 文字数まで適当にしておったのじゃよ!?? 気にしておらんのか!? お主ッ』


「気にしてはいるさ。気にしてなかったら俺はこんな性格してないだろうし、助けられた自覚だってある」


『……』


「最初から強靭無敵最強だったらよかったんだろうけどな。げへへ、まあそのお蔭でいい思いさせて貰ってるし結果オーライなんだけどよ」



「――――なるほど、転移者だったのなら元勇者だというのも頷ける」


『だ、誰じゃっ! 』


いや、それ俺以外には聞こえてないだろ。


「大丈夫だ。聞こえているから貴様らの事情は把握している」


夕日をバックにそれより遥かに燃え散る鮮血の髪を空に溶かす少女が一人立っていた。あれは……。


「この前投げたやつ」


「アンナだッ! 勇者アンナ!! 」


アンナは噛み殺さんばかりに怒る。


「一週間ぶりだな。元勇者の……………」


そこまで口にして、アンナは黙る。


ああ、そうか。名乗ってなかったですもんね。はい。


「わ、私はちゃんと覚えていたぞ! 名乗っていない貴様が悪い!! 」


「あーうんうん。そうだね」


「微笑ましい顔で私を見るなぁぁッ! 」


拙い文章を読んで頂きありがとうございます。最近ちょっとずつアクセス数が増えてきているのがとても心救われています。作者の好みで偏屈な女の子ばかりになっていますが、どうか好きになって貰えるように可愛くしていこうと思います。

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