世界の矛盾
かなりの社会的問題を孕んでおりますので、そう云った内容が御嫌いな方は閲覧しない方が好いでしょう。
恋をした。一生分の恋を。其れは所謂“恋”とは全く違うものだ。他人から観たならば、世間で謳われる恋と一般であるかも知れない。然し、僕に、いや、僕等にとってはやはり違っていた。確かに異なる感情の交差だった。想いの遣り取りだった。まるで、仔猫の様にじゃれ合い、笑い、怒り、哀しみ、泪し、また笑った。僅かな時間の中で凡てを共有し、此の先何が有っても、何度転んでも好いと、そう思える程に、互いを強く想った。実際、必ず転げ、泣く日が来るだろう。けれども、僕等は握り合う其の手を、其の温もりを決して離さず、忘れない。どんなに辛く、苦しくとも。きっと離したりなんかしない。互いが互いの光なのだから。そうして僕等は歩いて行く。ずっと、そう、ずっと。生涯を懸けて。きっと満ち足りる。其れだけで、僕等は幸せなのだ。だから、其れで好いんだ。
そんな事を思った事は之まで無かった。初めは信じられなかった。ただ、胸を打つ“何か”が確かに有ると、そう思っていた。けれども、其れは若い者に有り勝ちな勘違いなのだと打ち捨てた。其の筈が、時を増すごとに熱くなって、大きくなって行くものが、自分の、いや、二人の想いだとは気が付かなかった。何時まで続くか判らない人生に、彼女が居て呉れる事を、改めて理解した。其れで好いのだと、僕は思った。心から。当たり前だ。そんな人に出逢えるなんて奇跡としか言い様がない。僅かな時間を共有し、然し、其れを凡てだと思った。僕は勿論、彼女も同じく。其れ程に想い合った。理解されなくとも好い。世間が何う言おうが、僕等の人生は僕等の物だ。決して譲らない。だから、僕等は握った手を離さない。何んなに苦しかろうとも。絶対に離さない。僕等は互いに、互いを照らす光なのだから。そうして僕等は歩いて行く。ずっと、心の凡てを懸けて。きっと、満ち足りる。其れだけで、僕等は幸せなのだ。だから、其れで好いんだ…….
凄まじく不定期なので期待しないで下さい。