2章
私の名前は宮田杏。27歳
2年前に突然乳ガンで母親を亡くし、末期だったので、「あっ」と言う間に旅立った母親。
若さが進行を早めてしまったのか?
気づくのが遅すぎたのか?
乳ガンに気づき、自覚症状が解れば、死の宣告を受ける現実は今も残念しか感じない。
優しかったお母さんと夫婦仲良くしていたその姿が今も目に焼き付けている。
本当に仲良くしていた両親には、余りにも残酷であった。
わたしは父親が一気に老けてしまう姿を心配と、母親に後追い自殺しないか?
何より1人娘の心配を感じていた。
兄弟でも居れば気持ちを少し切りわけ出来たであろう。
1人でその心配を抱える私は、誰かに支えて欲しい存在が必要だった。
でもそんな存在がいなかった。
私もこれからお嫁さんに行き幸せな生活を望んでいたが、今は父親を優先する、仕事以外に父親の存在に怯えていた。
母親が亡くなり、突然私をしっかり支えてくれる男性が奇跡的に私の前に現れた。
母親が亡くなり1年後であった。
もしかして?
お母さんのラプライズだったのかも知れない。
あの世に逝き、お母さんは私を気にしながら亡くなって逝ったのだと…
最後の母親のプレゼントだと私はお母さんに感謝した。
私と彼の出逢いは、私が書店勤務で、大手の会社である。
有名人のサイン会など、握手会や、沢山のイベントが開催される。
出版会社に務める和也との出逢い出逢った。
お互いに「本好き」が私達の距離は縮めてくれた。
お互いに本が私達の架け橋になってくれた。
ただ彼に頭を悩ませる事は、少し度が過ぎるサプライズが今の悩みである。