Prolog
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・・・カヌス地方・・・
山のふもとにあるマビリ村には、数十人の人たちが暮らしていた。
村の中心には巨木が立っており、毎年木の実を村人に恵んでいた。
夏の夜にしては寒いほどの風が吹いていた日、突然、その巨木に火柱が立った。
轟音と共に。
村人たちは、寝床から一斉に飛び起きた。
今の現状を目の当たりにした人々は夢を見てるに違いないと思った。
消火に向かった男たちに紛れ、一人の少年が木のもとに走っていった。
その少年の名は、マルク。
「一体何が起こっているんだ?」
巨木の元に辿り着いたマルクの目には、謎の生物が破壊活動を行っている光景が飛び込んできた。
逃げ惑う人の中、一人立ち尽くしていた。
瞬間、胸にしまっておいたペンダントが光りだした。
するとマルクの体が光に包まれ、みるみる白く輝く姿に変わっていった。
それは神々しい姿だった。
マルクはわけがわからなかったが、本能的に生物に目をやった。
相手もこちらの存在に気付いたらしくマルクを睨んできた。
「これ以上、僕らの村を壊すなぁぁぁぁ!!」
そう叫びながらマルクは敵に襲い掛かった。
相手も抵抗してきたものの、三体という数の少なさと、圧倒的な強さのマルクに対し、なすすべも無く崩れ去った。
マルクは村人と協力し消火し、これ以上の被害を食い止めた。
そしてマルクの姿が元に戻り、疲れきったようにその場に倒れた・・・・・・。