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第四話 郡の家

前に屋上で瑠璃と仲良くなった…。

までは良い。

しかし仲が良くなった途端、瑠璃は俺にピッタリと付きまとうようになってしまった…。

俺はまだ女嫌いは完璧に治っていた訳ではない。

だから正直ずっと一緒に居られるのはきつかった。


俺は人気のない場所にわざと足を運ぶ。

「なぁ…なんでいつも俺のとこ来るわけ?」

「なんでって……嫌…ですか?」

瑠璃は少し上目遣いで俺を見る。

身長のせいなのかもしれないが。

「すまんが、俺はまだ女嫌いが治っていない。だからいつも俺のとこに来られては少々困る…。」

すると瑠璃は少し涙目になった。


ハァ〜〜〜〜…。


俺はこうゆー状況が一番嫌いだ。

女は涙をすぐに武器にしてしまうからだ。

だから男は謝ることしか選択権がないのだ


だが俺は違う。

俺はそこらの男どもとは断じて違う。

女嫌いなのだから。


「ハッキリ言っておく。あまり俺にしつこくしないでくれ。」

そう言うと瑠璃は顔を腕で隠しながら何処かに走っていった。



「おい、郡。」

「んあ?」

「お前瑠璃ちゃんに酷いこと言っただろ。」

「あァ。」

そう言うとタツキは大袈裟に溜息を吐く。

「お前なァ〜…。女嫌いを治すんじゃないのか?」

「悪いがあんもやり方だったら逆効果だぜ。」

「瑠璃ちゃんも自分なりにお前に協力してるつもりだったんだ。決して悪気があった訳は無いはずだと思うぞ。だからせめて謝るくらいしてあげたらどうだ?」

タツキの説教に俺は負かされ、

「女の子には全員に優しくするんだぞ〜。」

の声を聞き流しながら、俺は瑠璃に謝りに行くことになった。



「さっきは言い過ぎた…。」

そう言って俺は頭を下げると瑠璃は、

「大丈夫ですから!頭を上げてください。」

と言い、笑ってくれた。

その時、瑠璃の後ろから一人の女の子が近づいてきた。

「あれ?瑠璃ッチ、誰?そのイケメンくん。お友達かな?」

「あ!そうだよミッチャン。この人は城ヶ崎くん。」

俺ってからかわれてるのか…イケメンって……。

「んな!あの城ヶ崎くん!?うわ〜!ちょっと瑠璃!私にも紹介しなさい!」

「嫌!ミッチャン城ヶ崎くん横取りしそうなんだもん!」

横取りって……俺はあなたの物ではないのですが…。

「なに!?瑠璃と城ヶ崎くんって付き合ってるの!?」

なんで女はこう話の展開が速いのだろう……。

「つ!つつつ付き合ってなんか……ない…よ?」

と言いながら俺を見る。

いや…俺に振られても困ります…。

「ほほォ〜。ならまだ私にもチャンスが…。よし!それじゃ城ヶ崎くん!お友達になりましょう!これからは郡くんって呼んでもいいかしら?」

「ハ……ハァ…。」

この人と話すのは疲れる…。

「おっとそれより私の名前は松崎まつざき 美夏みかよ。よろしく!」

と言って俺に手を差し出す。

その手を取り、

「城ヶ崎 郡です。よろしく。」

と言って笑いかける。

「城ヶ崎くん!私のこと忘れないで下さい!」

今まで静かにしていた瑠璃が口を挟んできた。

その時、教室から女の子が何人か寄ってきた。

「スマン!俺もう行くわ!」

「ウン。それじゃまた後でねェ〜。」

そして俺は自分の教室に走り戻った。



「ちゃんと謝り、さらに女友達を一人作ったことに拍手ゥ〜!」

帰り際の下駄箱で、何処から見ていたのか、タツキはそんなことを話題にしてくる。

その時後ろから何か音が聞こえ、後ろを振り返ると、風紀委員がこっちに物凄い勢いで走ってきていた。

タツキはそれにまだ気付いていなく、俺は即座に身を潜める。

不振にそれを見ていたタツキは状況を把握したのか思い切り走り出した。

その追いかけっこを俺は暖かく見守りながら両手を合わせた。


俺は一人になった下駄箱で靴を履き替える。

「あ!郡くんじゃないか。」

後ろに立っていたのは、先ほど仲良くなった?女の子。松崎美夏が立っていた。

「美夏も帰りか?」

「初対面に近い女の子を下の名で呼ぶとは……なかなかやりますねェ〜。」

「それじゃ先帰るな。」

美夏の言葉を無視して俺は即座に立ち上がる。

「あァ〜!ゴメンゴメン!悪かったよ。」

「別に良い。」

「ねェ……一緒に帰らない?」

「スマンが俺はあんまし……」

「お願い!」

美夏は勢いよくに頭を下げた。

ここまで言われたら断るのが難しいな…。

「ハァ〜…。ご自由に。」

この言葉を聞き、美夏は頭を上げ笑顔でやった!と言った。


美夏とは家が物凄く近かった。

俺の家から徒歩30秒と掛からない。

「意外だったな。こんなに近いとは思わなかった。」

「そうだねェ〜。そうだ!今から郡くんの家に寄ってみてもいい?」

「別に良いけど…。期待するほどの物は無いぞ。」

「いいの!?ありがとォ〜!私男の子の家に上がるのは初めてだから緊張しちゃうなァ〜。」

ちょっと以外。この性格なら男友達とか多そうだと思ったからな。


いつの間にか俺たちは俺の家の前に立っていた。

学校からは徒歩20分程の距離だったがいつもより早く着いた様な感じがした。

俺は鞄から鍵を取り出し、ドアの鍵穴に差し込む。

鍵が開いた音がして、俺はドアを開ける。

「どうぞ。」

「おっじゃまっしまァ〜っす!」

美夏が勢いよく家の中に入っていく。

その後を俺は着いていく。

すると美夏は、

「郡くんの部屋見せてよ!」

とか言い出した。

別に俺の部屋には変わった物は無い。

俺は美夏に部屋を案内し、俺の部屋のドアを開ける。

「へェ〜。思った通り綺麗にしてるねェ〜。いや…想像以上かな…。」

「どうも。」

「そう言えば郡くんの両親は?」



それは、郡には言ってはならない言葉だった……。

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