変化
掲載日:2026/07/21
夜、街灯の下を一人歩いた。星のない夜だった。
影になって隠れた表情は道行く人々には見えないだろう。
そうわかっているのに僕はコートの裾に顔をうずめた。
代わり映えのない恵まれている、そう言って差し支えないはずの毎日。
だからこそ、僕は些細な変化で心が揺らぐ。心が揺らぐと僕は強い心を持ちたいだなんて思う。
でも、僕は結局のところ変わらないのだろう。だって、僕は変わろうとしないから。
「自分を変えてみたらもっと豊かな生活を送ることが出来る。」
皆はそう言って自分を変えていく。
でも、変わってしまったら元の自分はどうなるんだろう。
――死んでしまうのかな?
――それとも元の自分という土台の上に新しい自分が出来るのかな?
どちらにせよ、過去の自分という残骸を残してしまうことに変わりはないと思う。
星は悩む僕を横目に嘲笑うように瞬き、流れていった。




