「庶民派」をアピールして当選した安野氏と国会議員資産公開法について
筆者:
AI関連企業創業者で政治団体「チームみらい」の代表である安野貴博氏の資産が国会議員資産公開法により開示され、思ったよりも金額が大きかったことから話題になりました。
というのも安野氏の妻でチームみらい事務本部長の黒岩里奈氏が25年7月18日、参院選の出馬費用について、Xで「安野も、私との将来のために貯めてくれていた2000万円をすべて投じました」とつづっていたために、
「庶民派」をアピールして当選したと言っても良かったからです。
質問者:
筆者:
安野氏はAI関連企業の創業者で、総額3億6098万円で今回新たに当選した参議院125人中3位でした。その上で、米デジタル関連4銘柄計68万4865株の株式の保有も報告したのです。
4社と言うのがアマゾン、マイクロソフト、Nvidia、グーグルと高額株式で1株単価が安いNvidiaの場合で68万株だと203億円になるとのことです。
質問者:
200億円だなんてちょっと何が買えるのかすら分からないです……。
筆者:
ただ、安野氏のXのその後の投稿によると、この株式数は記載ミスだったようで、正確には「AMZN 440株 NVDA1200株 MSFT170株 GOOGL1440株」だそうです。
しかしこれでも時価総額1億円以上あるので「私との将来のために貯めてくれていた2000万円をすべて投じました」と言うのは事実とは異なるのではないかと思います。
質問者:
筆者:
勘違いされがちですが、流動性の高い現預金は申告する必要は無いようです。ですので固定資産などの評価額に限られるようです。
配当金や売却益なども特定口座であれば含める必要はなく、これよりも更に多いと思われます。
また、親族の申告の必要はなく、国会議員の任期開始時の本人名義の資産に限られています。
安野氏の場合では妻である黒岩氏の資産も入れたら全然これより多いことが予測されます。
質問者:
なんか抜け道だらけでこの法案そのものがあまり意味が無さそうですね……。
新規に当選した議員の125人のうち「資産ゼロ」が20人も存在するなんてちょっと信じられないと思いましたが、そんなカラクリがあるわけですか……。
筆者:
1980年代に発覚したリクルート汚職事件を皮切りに「政治とカネ」の問題が今のパーティー券の不記載を皮切りとした「裏金問題」のように紛糾しました。
そのために92年からは国会議員の毎年の所得は、資産と同じく公開されるようになりました。この法律の目的は地位を利用して不正な蓄財をしていないか、チェックできるようにするためです。
しかし、法律を制定する側がチェックされる側になるわけですから「抜け道」だらけになるのも必然と言えます。
せめて国会議員に関わる法案ぐらい国民に制定過程を関わらせて欲しいところです。
質問者:
法律が取り締まる根拠になるのに、自分が取り締まられないように緩く出来るだなんてズルすぎます……。
◇安野氏の「ストーリー」の意図
筆者:
安野氏と黒岩氏が「ストーリー」を構成したのは「庶民派」をアピールすることによって当選しやすくしようと思ったのでしょう。
(妻である黒岩氏が安野氏の財産を把握していない可能性はゼロではないですけどね……)
「金持ちの道楽」で政治をやるともなれば投票する国民側に抵抗感が出てしまいますからね。
ただ、安野氏は自ら作り上げたストーリーが当選後に崩れるという事は想定していなかったんでしょうかね?
妻の名義に換えることや現預金に換えれば問題無かった気もしますけどね。
質問者:
選挙中のストーリーなんて誰もが忘れると思ったのか、
それとも一度国会議員になって特権階級になってしまえば「大勝利」とでも思ったのかもしれませんね……。
筆者:
そうなるとある意味素直な方だと思いますよ。資産公開の虚偽記載しても罰則規定は無いみたいですからね。
どこかで株式や自宅の評価額などは分かってしまうという要素もあるのかもしれませんけど。
比例代表で当選する著名人か金持ちなのは明らかなので堂々として欲しかったですね。
ただ、政治家になるような人は平気な顔をして嘘をつける特殊な能力を持っていないとやっていけないんだなという事が改めて分かった一幕だと思います。
少なくとも僕は勘違いとは思えないような調べれば分かるような嘘を平気でつけるような人間を信頼することは出来ないですね。
◇それでも「チームみらい」はかなりマシな方
質問者:
「チームみらい」は新興政党で期待されているのに、この有様だなんてあまりにも悲しすぎます……。
筆者:
そもそも僕は政治家や政党に期待するのではなく国民側の意識を高めることによって政治家の方を良い方に変質させることが大事だと思っています。
様々な政党についてコメントしてきましたが、「チームみらい」については国会議員1人の政党なのであまり言及してきませんでした。
チームみらいが運営するサイトでは政治家個人の資金状況を明らかにしている「みらい まる見え政治資金」であったり、
法案の進行状態などが分かりやすくなっている「みらい議会」と言ったサイトはとても有用です。
これらの点については「政治が分かりやすく見える化」されていることから僕も活用させてもらっているので、既存政党の中では社会的意義や評価できるポイントはありますよ。
ただ、改めて言いますけど当選する過程で下手に嘘を吐くような人は根本的には信用ができないという事です。
質問者:
何から何まで嘘をついている可能性や、裏の意図があるんじゃないか? とか自分に我田引水しているんじゃないか? とかいろいろと邪推しちゃいますからね……。
筆者:
公人として様々な権益を得るわけですから(僕は責任を増やす前提でもっと報酬が増えても良いと思っています)、あらゆる視点から国民から審査されてもやむを得ないと思います。
そもそも国会議員資産公開法が不正蓄財を防止するために存在しているのに親族に範囲が無いことや何も処罰が無いこと自体が問題ですよ。全く意味をなしていないと言えます。
これは政治資金規正法の政治献金を許していることで大企業有利な政策ばかりが展開されていたりする主因になっていたりなどそれぞれ根が深いです。




