6:騎士団に保護された。
エアリス・バラークという人が、五分だけここで待つので、それまでにどうするか決めてくださいと言った。
五分ってどれくらいよ? スマホの電源切れてんのよ。肌感覚で分かんないのよ。腹時計ではなんとなく分かるけどね。
「すんませーん、ドア開けますー」
直ぐにドアノブに手をかけて、鍵を解除して、押し開いた。
外開きだから、一応声かけして。
「え……」
「どもー」
十人くらいの男の人たち。騎士団とか言ってたけど、アニメとかで見たような騎士服を着ている。そして馬もいる。本当に『騎士団』って感じの人たちだった。
「君っ、大丈夫かい?」
煌めくような長い金髪を後ろでひとまとめにした男の人が膝を軽く折って、前かがみで話しかけてきた。
「……」
これは子供扱いされてる系な気がするぞい?
私さ、身長は一六〇くらいはあるぞい?
「大丈夫といえば大丈夫ですが、大丈夫じゃないといえば大丈夫じゃないです」
そう答えると、煌々しい人がきょとんとした表情になった。そしてすぐに、クスクスと笑い出した。
「まぁ、そうだな。怪我はないか?」
「あ、はい。ないです」
男の人はエアリスと名乗った。
さっき声をかけてくれた人だった。
こんなところで何をしているのか、なぜこんな場所にいるのかと聞かれて、とりあえずことの経緯を話した。
「時空の歪みが出たと思ったら……君だったのか」
この世界にはやっぱり魔法があった。
そして、時空の歪みというものがときおり発生する世界でもあるらしい。
その歪みは、違う世界から色んなもの運んでくるそう。
「拾った者が所有者を名乗れるが、人だったり、別の生物だったり、危険物だったりした場合に対処するため、基本的に騎士団も現場に向かうことになっているんだよ」
なるほど、それで盗賊たちがワラワラいたのね。
ってか、あれは本当に盗賊だったんだ。てれっとドア開けたらだめだね。
「あの、私ってこれからどうなるのか、どうしたほうがいいとか、あります?」
「そうだな……自活できなさそうな子どもや老人は、ギルドに届け出て、国からの支援で仕事などを斡旋するようになっている」
――――ギルド!?