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水洗トイレとともに異世界に飛ばされたら、美麗な騎士様に拾われました。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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201/206

201:普通の幸せ。

 



 お腹いっぱいになったと喜んでいたので、食後のデザートは入るか聞いたら、デザートまでも作ったのかと驚かれた。


「ふふふふ。ルコちゃんは有能なんです」


 ある部分だけには! と付け加えて二人でクスクスと笑った。そうしているうちに給仕さんがタルトを持ってきてくれたのだけど、エアリスくんがタルトを見てきょとんとしていた。


「これ……どこかで買ったのでは?」

「いや、一から作った……あ、ビスケット作ったのはキッチンメイドさんだけど」

「ビスケット?」


 ビスケットを砕いてなんやかんやしてタルト生地にしたと伝えると、エアリスくんがパカーンと口を開けたままで固まってしまった。


「ルコの世界は、みんなこんなにも手料理ができるのですか? それとも、ルコはパティシエの経験が?」

「んんんん? ご飯はわりとみんな作るからねぇ。ただ、人によるけど。デザート系はもっと人による!」


 私は平均よりちょっと手を出すかな? というくらい。あと、味付けとかグラムとかまったく覚えないから、毎回味が違うんだよね。


「そんなことより、食べよ!」

「ふふっ。はい」


 エアリスくんがタルトにフォークを入れ、パクリと食べるところを観察。もぐもぐと咀嚼している姿はなんだか大型犬のようでほんわかした。


「ルコ…………」

「へい?」


 妙に言葉を溜めるエアリスくん。もしや美味しくなかったとか? いや、でも失敗のしようがない奴だもんなぁ。


「売りましょう。これ、売れます」

「あはははは!」


 真面目な顔して何を言うのかと思ったら、まさかのベタ褒めが返ってきた。


「なぜ笑うのですか」

「んふふ。好きな人に手料理食べてもらえて、褒めてもらえて、なんか幸せだなぁって」


 あんまり人に手料理って振る舞うことなかったんだよね。友だちの家にお泊りで一緒にご飯作るとかは、ままあるけど。

 元の世界だったら、いつか結婚したり、旦那さんにご飯作ったり、子どものお弁当とかを作ったり、そういう普通のことを体験できたかもしれない。なんてことをふんわりと思ったりもしたけども、ここでも出来るんだよね。


 どう生きるかってのは、場所はあまり関係ないんだよね。誰と生きるか、っていうのはとても大切だと思う。


「私ね、幸せだよ」

「っ、何かありましたか?」

「ううん。すっごく幸せだなぁって」


 ゆっくりゆっくり、この世界に馴染めて来てるんだろうなぁ。

 



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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

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