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水洗トイレとともに異世界に飛ばされたら、美麗な騎士様に拾われました。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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20/206

20:イケメンとテント。

 



 テント自体は元の世界のものほどではないけれど、わりと密閉性も通気性もあり、オイルランプのようなものでの光源もあった。ただ、中は思ったよりも狭かった。

 ただ寝るための場所だからだろうけど。

 そこにイケメンと二人きり。しかも密着して。

 

「ゼファーが反対しているのは、バレていると思うのですが…………」


 なぜなのか、説明してくれた。

 端的に言えば、エアリスくんが王族の一員だから。

 一夜の間違いが起きたら、どうするんだというのがゼファーさんの心配。


 ――――いや、知らんがな!


「いや、そんな飢えてないし。手当たり次第に襲いもしませんがっ!?」


 どんだけ貴族狙いの肉食女子が多いのよ、この世界は。


「………………伝わってないですね」

「いや、充分に理解したよ! 大丈夫、襲わない。神に誓うって!」

「……やっぱり伝わってない」


 なぜかエアリスくんがしょんぼりしつつ、もぞもぞと寝袋に入ってしまった。


「明日は早いので、寝ますよ」

「あ、うん。おやすみ?」

「はい。おやすみなさい」


 なんかよく分からないけど、とりあえず寝よう。

 昨日は座って寝てたから、身体がバキバキだった。思っていたよりクッション性のある寝袋のおかげで、一瞬で眠れた。




 □□□□□




 保護した少女は、少女ではなく立派な女性だった。

 異世界から来たというルコは、不思議な能力を持っていた。珍しい能力程度ならわりといるので、近くの村にでも保護してもらえばいいと思っていたが、そうはいかなくなった。


「彼女の能力は、未知すぎる。そして、あまりにも便利すぎるな」

「連れて行くしかねぇだろうな」


 ゼファーと話し合い、王都に連れ帰った方が良さそうだと判断した。

 いつルコに伝えようかと悩んでいたとき、ルコが慌てだした。そして、子どものように泣き、叫び、怒り出した。意味はよくわからなかったが、ずっと不安を抱えていたのに、私たち見せないようにしていたようだった。


 年上の女性に対して失礼だが、可愛い。

 くるくると変わる表情をもっと見ていたい。


 野営地で、ルコをどこで寝させるかゼファーと言い合いになった。

 私のテントならば安全だというのに、ゼファーは納得しない。


「不敬を承知で言うが……お前のルコを見る目は、欲が滲みすぎている」

「っ! うるさい。隊長である私の決定だ――――」


 ゼファーの言うことを聞かずに強行した。この二時間後、夜通し地獄を味わうとも知らずに。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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▷▶▷ honto

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― 新着の感想 ―
[良い点] 年下だと分かった途端、流子さん、エアリスさんを男性扱いしなくなりましたね。 しかも、自分が襲ったりしないって普通は逆の心配をするものなんですが(笑) [一言] 将来的にトイレが広くなって、…
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