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198/206

198:手料理なのか?

 



 おにぎりは、私たちの分は各二個づつ。使用人さんたちの分もコソコソ作ってたので、試しに食べてみてとお願いした。

 わりと好きな人と嫌いな人、別れそうなんだよね。謎の米の塊だし。味はいいはず。

 

「手が汚れるから、油紙? で包むようにして持つといいよ。あったかいうちに食べてねー」

「「はい!」」

「ふむ。肉巻き、ですかな? 美味いですな」


 ムキムキ執事のトマスさんがニコニコ笑顔で一番乗り。たぶん彼が許可しないとみんな手を出せないのだろうと思ったら、ただ食べたかっただけらしい。なかなかの早さで、オムライスおにぎりにも手を伸ばしていた。


「トマスさん! ちょっと、話し合いましょう!?」

「ん? もう触ったぞ?」


 トマスさん、ガッツリ素手で掴んでるね。キッチンメイドさんたちがちょっとオコな顔をしていた。

 エアリスくんが帰ってきたら、諸々よろしくねーと苦笑いしている料理長に伝えて逃げた私は悪くないはず。




 エアリスくんはそれから十五分もしないうちに帰ってきた。

 

「おかえり」

「ただいま帰りました!」


 時間通りに帰ってきたよ、褒めて褒めて! と顔に書いてあるの面白いな。


「エアリスくん、ご飯なんだけどその前に着替えたりする?」

「いえ、いつもこのままいただいてますよ」

「よーし、じゃあダイニング行こう!」


 きょとんとするエアリスくんの手を引いて、ダイニングに向かった。

 席は隣同士。やっぱり近くね? いいけどさ。


 席につくと、すぐさま大量のおにぎりが並べられた大皿が運ばれてきた。

 肉巻きおにぎりやカレーのやつは他に干渉するから、油紙でそれぞれ包んで隔離している。


「これは?」

「手料理とするには怪しい、手料理!」


 元の世界じゃなかなか手軽に作れるからね。一応手料理の感覚。こっちの世界だとなんだろう? サンドイッチ程は手が込んでないもんな……あれかな、食パン焼いてバター塗ったよ、ジャム塗ったよ、くらい?


「あ、サラダとスープは料理長さんだから」


 そっちのことすっかり忘れてたから、途中で料理長さんに丸投げした最低のヤツとは、私のことである。


「ル……ルコの、手料理…………」

「こないだカレー食べたじゃん? あれと一緒でソウルフードな感じかな? エアリスくんと食べたくてね」

「っ、いただいもよろしいでしょうか!?」


 エアリスくん、感極まってる気がする。凄い勢いで前のめりで聞いてくるものだから、ちょっと笑いつつどうぞと言った。


「あ……食べ方がわかりません」


 ――――可愛いな!

 



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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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