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196/206

196:物々交換して欲しい。




 おにぎりの準備は半分終わったから、デザートの準備。

 ちらっと見ると、いろんなケーキ型とかマドレーヌやクッキー型とかもあった。

 特になにも考えずに作れるのは……クレープだけど、普通にこの世界にあるしなぁと見ていたら、タルト型を発見。

 さっき、なんだか型崩れしたビスケットが休憩用のテーブルに山盛りにされているのを発見していたんだけど、みんなのおやつなんだと聞いたからスルーしていた。


「ねぇ、あれ一個食べてもいい?」


 キッチンメイドさんに聞くと、あれは自分たちの練習品と失敗が入り混じったものだと言われた。料理長が作ったちゃんとしたものがあるからそれを! と言われたけど、あれが食べたいのだ。諸事情で。

 

 ザックザクで砂糖少なめ、バターも結構少なめ…………丁度いいんだけど、半分くらいくれないかな? 材料費って誰のだろ? 


「あ……その、私たちのです」


 ちょっと若めのキッチンメイドさんが、ちょっと申し訳無さそうに申し出てくれた。


「代金払うからちょうだい!」

「えっ…………その、お金はいりません」

「駄目。払う! あ、それか、使わせてくれたら、出来上がったものをあげるってのは? 物々交換的な」

「っ…………」


 キッチンメイドの二人が、ニコニコしているムキムキ執事のトマスさんをチラリと見た。トマスさんがコクリと頷くと、二人がホッとしたように了承してくれた。

 なるほど、下働き系のメイドが主人とかと勝手に交渉は禁止なのか。不安にさせてごめんよ。


 料理長さんやキッチンメイドの二人に欲しいものをお願いしつつ、二人からもらったビスケット的なものをガンガンと叩いて砕いた。


「ルコ様は何をしているのですかな?」

「んー? フルーツタルトだよ?」


 超簡単、焼かないフルーツタルトを作るつもりなのだ。三十センチのタルト型があったので、もりもり作ってしまおうと思っている。


 砕いたビスケットに少しの牛乳と溶かしたホワイトチョコを板チョコ二枚分くらい入れて、よく混ぜる。

 タルト型に敷き詰め、瓶の底などでぎゅぎゅっと押し固める。

 泡立てた生クリームにヨーグルトを混ぜて、溶かしたゼラチンを入れてよく混ぜてタルトの中に敷き詰めて、上を平らにする。

 あとは冷蔵庫的な魔道具の中で一時間ほど冷やして、その上に生クリーム絞って、ダイスカットした果物たちをたっぷりと散らせば出来上がり。めちゃくちゃ簡単!

 

「さて、そろそろお米を炊こうかな」


 実はこれが一番不安なんだよね。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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