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193/206

193:泡風呂に入る理由。

 



 久しぶりに子供用の歯磨き粉を使ったら、脳天を突き抜ける甘さだった。エアリスくんのやつは以前使ったことがあるから知ってる。フローラルがあまいけど、結構ちゃんとミント的なのもあるんだよね。

 エアリスくんの目の前でうがいするのって、ちょっと恥ずかしかった。流石に、ガラガラ・カーッ・ペッ! のトリプルアタックはしないけどさ。それでも吐き出すのは吐き出すからね。


「……ちょっと恥ずかしいですね」

「うん」


 その感覚はエアリスくんも一緒だったようで、なんでか少しだけホッとした。

 明日の朝も他の歯ブラシと歯磨き粉も試してみるらしい。よろしくねと伝えた。


 ユニットバスを出した部屋に戻って、今度はアメニティセットを出してみることに。


「安めのホテルのはいま出てるやつだから……」


 ちょっと高級なホテルタイプ、海外のホテルタイプを出してみることに。大人のホテルタイプは、なんか墓穴と煽りが酷いことになりそうだから止めた。


「あ、入浴剤か!」


 海外のホテルタイプを出してみて気付いた。泡風呂用のミニボトルがあったのだ。

 入浴剤も色々と指定が出来そうだ。


「入浴剤、ですか? 石鹸とはまた違うのでしょうか?」

「うん、違うよ。あ、これは泡風呂だけどね」

「泡風呂?」


 エアリスくんが新たに出てくる単語に首を捻っている。とりあえず見たほうが早いからと、泡風呂の液体を浴槽に入れてシャワーでお湯を溜め始めた。


「シャワーでお湯を溜めると、湿気がひどいし、時間が掛かるし、ぬるくなるのでは?」

「あー、そう言ったけど、泡風呂の時はシャワーがいいんだよ。……ほら見て?」


 浴槽を覗き込むよう言うと、エアリスくんが驚いていた。


「泡が凄いですね」

「ねっ? ね!」

「でも、なんのために?」

「…………」


 ――――え?


 なんの、ために? え? 泡風呂……なんのために入るんだっけ? 

 

「えっと、ふわふわしてるから?」


 あとは、なんかいい匂いするやつあるし、ちょっと女子力高くなった気にもなれるし、非日常感があるよね。


「あっ! あと、襲撃されても局部を泡で隠せるから!」


 ふと、うんこ漏らしながら戦うゼファーさんを思い出したというか、想像してしまったのは、秘密だ。墓の中まで持っていきたい。特に本人にはバレたくない。

 公的に死ねる気がする。


「それは、その……利点ですかね?」

「…………利点でしょうよ」


 ――――たぶん。


 このあとちょっと変な空気になったのは、私のせいじゃないと思いたい。きっとゼファーさんのせい。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

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