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188:一人で入れよ?

 



 エアリスくんは、シャワーにいたく感動していた。

 原理はウォシュレットでなんとなく理解しているものの、蛇口で温度調節できることが、何よりも驚きだったらしい。


「……」

「どうかしました?」


 いやね、流石にちょっと反応に困るよね。蛇口で温度調節ってとこに。たぶん昭和くらいから既にそのシステムだから。今はボタンひとつで温度を最初から一定に出来るようになってるんだよって言いたいけど、煌めかしい笑顔でシャワーから吹き出すお湯を触っているエアリスくんには言えなかった。


「このシャワーというものでお湯を溜めるのですか?」


 溜めてもいいけど、ちょっとぬるくなるのと、湿気が酷いことになるからやめておくれ。

 浴槽にお湯を張る場合は、蛇口から。シャワーは洗身洗髪用だと言うと、驚いていた。そして使ってみたい、と。


「…………いやまぁ、使ってみなよ! と笑顔で言ってあげたいけど。狭いし一人で入りなよ?」

「あっ……はい」


 侍女さんに着替えやタオルなどをお願いして、トイレの蓋の上に置く。人によっては忌避感があるかもしれないが、ユニットバスとはそういうもんだと諦めてくれ。

 私は気にしない派なんだよごめんね。


 シャワーカーテンは内側に垂らすこと、身体や髪を洗ったあと、浴槽にお湯を張るのだが、地味に待たなきゃいけないから寒いことを伝えた。


 ユニットバスの場合、人によっては浴槽で温まってから洗身洗髪をする派もいることも伝えた。

 何ならこっちのほうが多いかもだけど、私は洗ってない身体でお湯に浸かるのってなんか苦手なのだ。


「シャンプーとかはどうする?」


 壁にプッシュボタンでニュッとでてくるやつがついていた。シャンプー・リンスが一緒になったやつと、ボディソープ。

 あ、洗面台にアメニティあるね。

 身体洗うスポンジが圧縮パックされていた。袋を開けると、どう見てもお皿洗い用のスポンジにしか見えなかったけど、さも当然のようにこれで体を洗うのだと言い張った。

 私はメッシュタオルがいいな。


「ルコの世界のものを使ってみたいです」

「いいけど、なんか初期設定のやつだからそんなに期待しないでね?」


 エアリスくんの艶サラヘアーを保てるかは知らんぞ? ボディソープに関しては、そこまで何やらはないだろうけど、シャンプーってマジで響いてくるからね。

 あ? 備品扱いで出せばいいか。どこまで出るんだろう? これもまた実験しなきゃなぁ。


 とりあえず、何やらワクワクしているエアリスくんを送り出した……というか、私がユニットバスの外に出た。

 エアリスくんがお風呂から上がるまで、ノートに出したいものリストでも書いててチェック表を作っておこう。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
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