表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

186/206

186:とりあえず、出していい?

 



「エアリスくんって変なとこで悩むね」

「……好きな人に嫌われるのが、こんなに怖いとは思いませんでした」

「あー、確かに」


 好きだからこそ、いろいろと怖くなることってあるよね。長いことその感覚から離れてたから、ちょっと忘れてたや。


「とりあえず、私はそこまで気にしないよ。今回は、だろうけど」

「っ、はい」

「でさぁ、とりあえず、出していい?」

「…………何をでしょうか?」


 エアリスくんが恐る恐るといった雰囲気で聞いてきて、そもそも話していなかったことを思い出した。話したのは侍女さんにだ。

 

「いやね、ユニットバス出せるんじゃね? ってなっててさ、どうせならエアリスくんと一緒に楽しみたいじゃん?」


 新しいの出す時って、結構イベント感あるんだよね。どうせならワーワー楽しみたい。


「ユニットバス、とはなんですか?」


 ――――あ、そうか。


 この世界は、西洋感たっぷりだけど、トイレがアレだから、ユニットバスってないんだ。たぶん、名称が違うとかじゃなくて、一緒になることがないんだと思う。


「えっとね、トイレとお風呂が一緒になってるの」

「…………異世界では、お風呂の中で用をたすのですか!?」


 なんでそうなる。やめろ汚い。小学校のプールレベルのタブーを犯すな。

 ワンルームの中に、トイレとお風呂が共存している感じだと説明したが、いまいち想像ができなかったらしい。私の説明能力なのか、この世界にないから想像が難しいのか。


 とりあえず、出してみて、出たんなら見てみりゃ分かる! という、なんとも脳筋な返事をしておいた。


「ユニットバスってかトイレ!」


 ふと思う。ユニットバスって、お風呂がメインの名称だな、と。海外はバスルームって言うしね。え? イケるの? とかなんとか考えつつも、よくある一人暮らしのワンルームにあるユニットバスを想像した。


「……まぁ、いつものドアだね」


 ちょっと違うのは、いつもは床とドアはフラットというか、同じ高さだったのに、今回は十センチほどの段差があった。

 恐る恐る丸いドアノブに手を伸ばす。

 出てきたから、たぶん大丈夫だと思うんだけど、最後の『トイレ』だけに反応して、普通のトイレが出てきている可能性もなきにしもあらず。


 ――――いざ、尋常に、勝負!


 エアリスくんに、何と戦っているんですか? とか聞かれたけど、無視無視。心の声が漏れたやつに反応しないで欲しい。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ