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184:おかえり。

 



 侍女さんと話していて、化粧品も揃えたいと言われた。この世界の化粧品も気になるなぁ。

 ちなみにヘアケア用品たちは、言ったら失礼なんだけど、そこそこだった。

 ヘアオイルは……まぁ、オイルだよね。って感じ。だだ匂いは結構良かった。


 そういえば、トイレってさ、ユニットバスあるよね? あれもトイレなのかな?


「……お?」


 そういえば、想像して出そうとしないと出ないんだったけ?

 コンビニ的な綺麗めのトイレが出るんならさ、なんかワンルームのユニットバスくらいなら出そうじゃない?


 部屋の中に出すのも何だしなぁ、エアリスくんが帰ってきてから一緒に試そうかなぁ。




 夕方になり、エアリスくんの帰宅予定の時間になったけど、なかなか帰ってこなくて侍女さんたちに先に夕食を取るよう勧められた。


「わがまま言ってごめんね。エアリスくんを待ちたいの」

「承知しました」


 それから二時間ほど経った頃、エアリスくんの乗った馬車がお屋敷に戻ってきた。

 玄関まで迎えに行くと、エアリスくんがビクリと肩を揺らし、視線を逸らされてしまった。


「すみませんでした」


 何も言ってないのに、謝られてしまうと、なんだか私が怒ってるみたいじゃんか。


「おかえり、エアリスくん」

「っ! は……い。ただいま帰りました」


 泣きそうな顔で微笑まれて、ちょっと本気で意味がわからないなとか思ったけど、空気の読めるルコちゃんなので、エアリスくんの言葉を待ってみた。


「朝、黙って出ていってすみません」

「んー? 騎士団でなんかあったんじゃないの?」

「っ…………ルコから逃げてました」

「は? なんでよ? え? ん? ケンカしてたっけ? つか、私はエアリスくん怒らせちゃったのかなとかも思ってたけど。昨日、なんか話してる途中で寝ちゃったし」


 違ったのか。心配して損したわ。


「その……部屋で話しませんか?」

「え? 長くなる?」


 めちゃくちゃお腹へってるんだよね。

 仲直りしてから食べたいなとか思ってたけど、こっから話がさらに長引くんならご飯食べたい。お腹がドギュルル鳴ってるんだよ。


「長くなる、かもです」

「かも…………ご飯食べていい?」

「はい。待たせてすみませんでした」

「いや、勝手に待ってたんだけどね。エアリスくんと食べたくて」


 いつもなら頬を染めるのに、今日のエアリスくんはやっぱなんか変。また泣きそうな顔をされてしまった。

 気になる。明らかに何か悩んでいるというか、なんか話たそうというか。

 だがしかし、勝手に腹減りになってるんだけど、これ以上の我慢はむりぽよだし、ご飯食べさせておくれ。

 



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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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