表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

176/206

176:ルコの部屋。

 



 エアリスくんのお屋敷の玄関前に立って、深呼吸。

 さぁノックするぞ! と意気込んだ瞬間に玄関がズバンと開けられた。

 外開きのドアは、見事なほど私の顔面にぶち当たり、すってんころりと後ろに倒れて尻もち。


「いったぁぁぁ!」

「っ、すみません。ルコ、怪我は!?」


 玄関を開けた犯人はエアリスくんだった。


「ルコちゃんのお尻が青あざになった可能性大だよっ」

「大変です! 見せてください」

「見せるか馬鹿ぁ!」


 横にしゃがみ込み、本気で人の尻を確認しようとしていたエアリスくんの鼻を摘んで上下左右にグリグリ捻ってやった。


「いだだだだだ、ひだいでふ」

「え? なんて?」

「ひだいでふっ!」

「あ、痛いですね。私もだよ!」


 エアリスくんに引き起こされ、立ち上がってお尻をパンパンしていたら、「平気じゃないですか」と口をとがらせて言われた。

 そもそもエアリスくんはなぜにあんなに勢いよく玄関を開けやがったんだ、と聞いたらちょっと可愛いこと言われた。


「ルコが到着したとわかって、慌ててました」

「くっ……」


 ――――可愛いな。


 荷物はエアリスくん宅の使用人さんたちが片付けてくれるらしい。

 とりあえずは顔合わせということで、大広間に皆で集まることになった。


「はじめまして、東陶(ひがしすえ) 流子(りゅうこ)と申します。呼び辛いので『ルコ』でお願いします」


 届け出は『りゅうこ』で出したけど、わりとルコって呼ばれ慣れてるんだよね。だから、この世界ではルコで通そうと思ってる。


「「よろしくお願いいたします」」


 私専属の侍女さんは六人。六人って多くね? って思ってたけど、休みやシフト制で二人づつの担当らしい。

 そもそも侍女さんとかいらなくないかなぁとか思ってたけど、レイラさんに言われたんだよね、エアリスくんと結婚するってことは、貴族になるってことなんだって。だから、なんかイロイロと恥ずかしい思いをするのは、グッと我慢だ。いつか慣れるはず。…………はずっ!


 出勤してた担当になる侍女さんたちとも挨拶した。今日お休みの人はまた別の日に。




「ここがルコの部屋です」

「広い!」

「そうですか? なにかありましたら、そこにある扉を叩いてくださいね」


 部屋の中にある扉を指差された。

 お風呂とか部屋続きであるから、そういった部屋の一つかと思ったら、違ったらしい。


「侍女さんの控室とか?」

「いえ、私の部屋です」

「…………」


 ――――繋がっとんのかい!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
[一言] 東陶て、TOTO? 今さら、気づきました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ