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171/206

171:ソウルフード。

 



 勧められた席に座って、メニューを見る。


「読めん!」


 わかっていたよ。読めないのは、わかりきっていた。最後の文字がカレーなのはわかるけどね!

 エアリスくんにどんなカレーがあるのか聞いた。グリーンカレーとかバタチキとかサグとかいろいろとあった。

 

「むぉぉぉ悩ましい!」

「私はバターチキンカレーにします」

「良いよねぇ、バタチキ! んあー! 辛いの行きたいし……サグマトン!」


 ほうれん草とマトンのカレーに決めた。メニューは下に行くほど辛い順番に書かれているらしくって、下の方にサグマトンがあったのだ。

 お米かナンかチャパティか……チャパティ揚げたやつ美味しいよね。初回はナンにしよう。

 そしてサイドメニューのタンドリーチキンとモモも頼んだ。モモがあるってことは、ネパール人ぽいな。


「ルコは辛いのが平気なんですね」

「うん、わりと!」

「エアリスくんは?」

「私は、真ん中より下はちょっと無理でした」


 辛いのちょっと苦手なのか。心のノートにメモしとこう。


「はーい、おまたーせ、しまーしたぁ」

「はーい、あーりがとぉー」

「ルコ、イントネーション移ってますよ」


 ――――ふおっ。


 独特の喋り方が脳内でぐるぐるして口から出てきたや。感染力すごいな……。


「いっただきまーす!」


 サグマトンカレーをパクリと食べた。鼻から抜けるマトンの独特な風味とスパイスたち。

 あー染み渡る。カレーだ。めちゃくちゃカレーだ。ちょっと目頭が熱くなってるよ。日本独特のカレーじゃないのにな。


「ルコ、どうかしましたか?」

「んー? 美味しいなぁって」


 いかんいかん。エアリスくんが怪訝そうな顔になってる。笑顔、作らなきゃね。


「ねぇねぇ、一口ちょうだい?」

「はい、どうぞ」


 カレーはこぼすと大変だから、ペーパーでスプーンを拭いてから、一匙もらってパクリ。

 

「んあー、めっちゃまろやかで美味しい」

「まろやか……」


 どうやらエアリスくんにとってはけっこう辛い部類だったよう。

 そして、無理すんなって言ってるのに、いや大丈夫とか言って私の方のカレーをパクリと食べたエアリスくん。なかなかの速さでコップを掴み、ぐいっと煽るように飲んでいた。

 顔が赤いし、ちょっと汗かいてる。なんだかかわいいなぁ。

 

「ルコの視線がなまぬるくて、なんだかモヤっとします……」

「んははは! 可愛いなぁって見てたんだよ」

「むぅ」


 ほんと可愛いなぁ、エアリスくん。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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