表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

170/206

170:急に食べたくなる。

 



 エアリスくんの仕事終わりを待って、一緒に帰ることになった。

 

「食事はどうされますか?」

「うーん。エアリスくんの家はもう用意されてるんじゃないの?」

「いえ、ルコと帰るので決めてから連絡すると伝えています」


 うーむ。そうなると更に迷うよね。

 実は最近、外食に飽きてきたんだよ。こう、食べ慣れてるメニューが多いけど、人が作った美味しい料理よりも、自分で作って多少味がボワッとしたものが食べたくなるときってあるよね。

 一人暮らしするつもりでいたから、自炊とか結構楽しみにしてたんだよねぇ。

 エアリスくんの家だとがちの貴族飯がでてくるし、夜市の屋台でお願いしよう。


「ルコは料理ができるのですか?」

「んー、生活に困らない程度かな」


 結構レトルトとか〇〇の素とか使ってたからなぁ。出来るの範囲に入れていいか怪しい料理はあるなぁ。あと出汁醤油とかめんつゆで誤魔化してたやつも多いな。

 カレーにはルーをガッツリ使ってたし、焼肉のたれとかも入れてたしなぁ。


「…………カレー食べたい」


 やばい。思い出すとめちゃくちゃ食べたくなってきた。あー! うどんとかラーメンもいい! 焼きそばもいい! 筑前煮とかも食べたい! ぬあぁぁぁぁ!

 どうやったら食べられるんだろ。


 ――――あっ!


 いらないことを思いついたときの脳の働きってエグい。

 スキルがトイレじゃなくてお風呂だったら、温泉召喚して、食堂は無理でも自販機とかで元の世界の食事を出せるじゃん? ってことに気付いてしまった。

 インスタントラーメンとかも食べれるじゃん……くっ。


「ルコ?」

「っあ! ごめん。えっとビーフシチューか辛いものが食べたいな」


 妄想していたら、エアリスくんを放置したままで、ずんずんと夜市に向かって歩いていた。

 慌てて希望を伝えると、エアリスくんがいい店があると案内してくれた。




「あるんかーい!」


 店に到着して、叫んだよね。

 あったんかい。つか何であるんだよ。こんな裏通りにあったら気付かないよ。、カレー屋さん。


「いらしゃいまてー」

「やぁ」


 エアリスくんが挨拶したのは、浅黒い肌の男性。頭には白いつばなしの帽子みたいなものを被っていた。

 もしやインド、ネパール、バングラデシュとかそこら辺の人?


「おつれーの方、アージア顔してまーすねぇ」


 なぜに間延びしたイントネーションなんだろうか。もしや、こっちで言語習得に苦労したタイプかな?


「あ、日本人です」

「にっぽん! わぁぁ、ジロウ以来ですねぇ! 入って入って!」


 浅黒い肌の店長さんらしき人に手首を掴まれ、グイグイと引っ張られた。

 エアリスくんは後でニコニコしている。 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ