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169/206

169:お腹いっぱいだと、寝るよね?

 



 知覚過敏疑惑と戦いながらも、オレンジタルトもしっかりと堪能した。

 

「ごちそうさまでした」


 代金はどうやって払うのかを聞くと、エアリスくんの給料から引かれると言われた。エアリスくんの分がそうなるのはなんとなくわかる。でもなぜに私の分までなんだ。

 五百ルドくらい普通に払えるのに。

 この世界というか騎士道に近い考えらしいけど、『女性にお金を使わせない』というものは、いつまでも馴染めそうにない気がする。


 見習い騎士さんたちは、午後から木剣を使った訓練をするらしいので、私はここで離脱。

 またエアリスくんの執務室に舞い戻ることにした。


「ふぅ。お腹いっぱい。眠ったらごめんね」


 昼食後は、どうしてもうつらっとしてしまうので、先に宣言しておいた。

 そして、宣言通りに居眠りこいてみた。

 満腹と昼の気温と程よい疲れは、なぜこんなにも相性がいいのか。舟を漕いでいるなとわかっていながらうっつらうっつら。


 ふと、浮遊感と温かさを感じるなと思ったら、いつの間にかエアリスくんの膝の上に座って、抱き着くようにして寝ていた。


「んあ? おはおー?」

「よく眠れましたか?」

「んー。うん。エアリスくんの肩によだれ垂らすくらいには」


 ジャケットにちょっと染みつけちゃったよどうしよう。


「ふふっ。気にしなくて大丈夫ですよ。ご褒美です」

「それは流石に気持ち悪いっ!」


 被せながらに言ってしまったが謝らんぞ! とエアリスくんの膝から降りた。そもそも、なぜに抱きかかえられていたんだ?

 

「休憩しようと思いまして」


 ――――どんな休憩のしかたやねん!


 エアリスくんのナチュラル気持ちわ……ゲフン。ナチュラル甘えん坊? 甘えん坊でいいのか? な感覚にちょっとだけドン引きした午後だった。




「よぉ! ルコ、帰るか?」


 応接スペースでお勉強を再開していたら、ゼファーさんが迎えに来たので、ほんじゃ一緒に帰ろうかなぁ、なんて思いつつ頷いて勉強道具を片付けていたら、エアリスくんがガタリと立ち上がった。


「私が送りますから!」

「はぁ? お前どうせ残業すっだろ?」

「え、残業するの? 道連れはやだよ?」


 脊髄反射でついそう答えていた。

 エアリスくんの眉がしょんぼりしてしまった。


「二人ともそういうところが本当にそっくりですよね……残業はしませんっ。あとゼファー、勤務はまだ一時間ありますが?」


 残業しないのか。それならまぁ、エアリスくんと一緒に帰るか。

 ゼファーさんに関しては知らんけども。一時間も前から帰るムーブかまさないで欲しい。流石に早すぎる。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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