表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

150/206

150:その程度の思考!?

 



 ちょっと下を向いて息を整え、正面のエアリスパパンを見る。

 こういうのは先手必勝だ。たぶん。


「首輪を嵌められてから、トイレ呼び出しました」

「……どうやって?」

「普通に」

「「は?」」


 エアリスくんとパパンが、発動前に出していたのか? いやそれならたぶんトイレには入れないだろう。奴らの思考からは困惑しか読み取れなかった。急に建物が現れた、首輪は不良品だったのかとしか読み取れなかった。などと話していた。


 いやだから、普通に……かは置いとくとして。

 連れ去られて王都を出てしまった。こりゃヤバいとりあえず馬車から下りてトイレに逃げ込まないと! と思った。

 んで、トイレに行きたいと言ったら首輪を嵌められて、草木の陰で野ションしろとか言うから鬼畜かと思ったよね。


「馬車の中で嵌められたんですね」

「うん。首輪を嵌められて、なんか変な呪文唱えてたよ。それから馬車から下ろされたの」


 そうして誘拐犯たちに見えにくいところでトイレを出して、中に駆け込んだと説明した。


「ロープは普通だったから、首を絞められつつもハサミでどうにか切ろうとしてたけど、ガンガンドアに後頭部を打ち付けられててさ、急にバシュンてロープがキレたんだよね」

「それであのような怪我に……」


 いやぁ、めちゃくちゃ痛かったよね。まさか頭蓋骨までイッちゃってるとは思わなかったけども。


「しかし、そうなると余計に可怪しい。封魔されているのに、なぜ呼び出せたのだろうか?」

「知りませんっ!」

「うん。ルコはそう言うと思ってました」


 ニコニコと微笑むエアリスくんよ。可愛いが、なんかバカにしてるなこんにゃろめ! 

 

「ふふふっ」

「ぬおっ、撫でるなぁ!」


 よしよしと頭を撫でられた。なぜに愛でられているんだ。「このくらいの思考のほうがルコらしくて好きですよ」とかよくわからん愛を囁きだした。うるさいぞ!?


「ステータス開示を頼んでもいいかな?」

「はい、良いですよー」

「ではジローを呼び出してくれ。彼にしか開けないからな」

「っ……、はい」


 パパンにそう言われたエアリスくんから剣呑な雰囲気が一瞬漏れ出た。もしやエアリスくんと次郎くんって仲悪いの? そいやちょっと前に、変に勘ぐりしてたしなぁ。


「仲悪いの?」

「…………ルコは鈍感です」

「うるさいよ?」


 なんでディスられるんだ。

 そもそも『そのくらい』でいいんでしょ? 深読みしたほうがいいならするけど、だいたい外れるじゃんよ? 諸々と恋愛を絡めて考えるほどお花畑ではいられないと思うんだけどね?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ