144:断罪する場所?
重厚な扉を開いた先にある謁見室内を見て、白目になりそうだった。
この前見たときは、もっとラフな格好をしていたような気がする国王陛下。同じく王弟殿下。それぞれの隣には、威厳がモリモリにありそうなドレス姿の美しい淑女。
そして、こちらを見てにこりと微笑むエアリスパパンがいた。
それらの対面には、なんかボロボロ状態の私を襲った二人組が床に座らされていた。
その後ろには、不機嫌そうな顔のパンチラちゃんと小丸いおじさん。
――――だれよ!?
きょとんとしていたら、エアリスくんが小声でパンチラ親子だと教えてくれた。
ギラギラ肉食乙女系のパンチラちゃんと、ギラギラ物理的装飾系の小丸いパンチラパパン。
うん、そっくりだな!
「さて、役者が揃ったな」
「大変お待たせいたしました」
エアリスくんが深々と謝罪をすると、陛下がペペッと手を横に振った。
「ひどい怪我だったのだろう? 治癒は?」
「終えています」
「うむ。では、続けようか」
陛下がスッと真顔になり、パンチラ親子に視線を向けた。
「パンッティラ、お前たち親子の非人道的な行いは、ただの嫉妬と保身によるものとしか考えられないとは思わないか?」
「陛下! 発言をお許しください」
陛下が顎で続きを促した……らしい。ただ単に顎をしゃくったようにしか見えなかった。なんかごめんなさい。
あれだよ、インドの人とかさ、頭の振り方でイエス・ノーがあるじゃん? でも、どっちも横に振ってるんだよね。あれとか陛下の顎シャクリとかさ、どうやって見分けるのさ?
「私は、その者がこの世界を滅ぼす危険性があると、ずっと訴えてきました! ですが皆、目先の欲に囚われてな何も見えていないのです」
――――ほほう?
パンチラパパンにビシィッと指を差されたけども、そもそも会ったことあったっけ?
どうもはじめまして、という気分で会釈しておいた。
横でゼファーさんが、ブフッと吹き出した。うるさいよ。
「何も見えてないとな?」
「はい、その女は保護された時、エアリス殿を身体を使って籠絡したと聞いている」
――――ほむん?
籠絡し……ている気がするが。勝手に籠絡した………………籠絡って何? 辞書くれ辞書。簡単に言うと『オトした』ってことでオーケー? だれか教えてください。
つか、保護された時? テントで枕にしてたな。え? あれでオチたのエアリスくん? え、どうやって? 大丈夫?