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139/206

139:か弱いのは、否定しない。

 



 マロシュさんが失礼しますと言って、腰を支えようとしたので、丁重にお断りして、地面に座った。

 たぶん、マチルダお姉様と一緒のパターンだよね?

 てか、エアリスくんも転移使えるの? あれ? 魔力ごっそり持っていかれるって聞いてたけど、大丈夫なの?


「……転移」


 またもや詠唱なしパターンか。エアリスくんの規格外感が凄い。


 クラリとした目眩とともに、知らなくはないがさっきとは違う風景が目の前に登場。

 一瞬で騎士団の建物内に来た。転移って本当に凄い。

 エアリスくんは大丈夫なのかと見ると、無表情で騎士さんたちに指示をしていた。

 そっと立ち上がって壁際に移動した。

 

 指示が終わったのか騎士さんたちが部屋を出て行くと、エアリスくんがきょろきょろっとしていた。

 部屋の隅に避難していた私を探していたらしく、目があった瞬間にホッとしたような顔をされた。


「ルコ、怪我はありませんか? 聞くのが遅――――首を見せてください!」


 そういえば首輪を嵌められてたなと思っていると、エアリスくんが駆け寄ってきた。

 顔が怖いんだけど?


「……壊れてる?」

「あっ、トイレのドアにガンガン打ち付けられてたら、ヒビ入ったみたい」

「っ!」


 エリアスくんが慌てて私の髪の毛の中に指を突っ込み、頭皮をそっと撫で始めた。くまなく触りまくるのやめてぇ、ちょ、くすぐったいからっ! あ、そこ痛いっす。


「瘤になってる」

「地味に痛いくらいだから、そのうち治るよ」

「じっとしてて」


 今度は首輪をガシッと掴んだかと思うと、左右に引っ張って、バキィンと聞いちゃいけない音を聞いた。

 いや、どうやっても腕力で取れるもんじゃないと思ってたんだけど?


「っ、首が……。か弱い女の子に……なんてことを」

「…………」


 女の子と言っていいのか? 私を。私だぞ? いいのか!? か弱いは否定せんがなっ!


「治癒士を呼びます」

「ちょい待ち、どうなってんの?」

「首を絞められたように真っ赤になっています。明日には痣になりますし、喉の血管の損傷も怖いので」

「あ、うん。確かに怖いね……お願いしますです」


 エアリスくんがマチョォを用意している間、ちょっと気まずくて、数歩遠ざかってみたら、ジッと見られてしまった。


「ルコ、聞きたいことが沢山あります。逃げないで」

「っ、逃げてないよ」

「……ルコが怖がったのは、あの状況ではなく、私なんですよね?」

 

 ――――ばれてーら!




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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