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137/206

137:調子こいた。

 



 ◇◇◇◇◇




 エアリスくんに向けてマチョォを飛ばした後でふと思った。端っから次郎くんに普通に送ったほうがよくなかった? パニクりすぎてて、正常な判断が出来てないのかも。


「ドアを開けろ!」


 おぉぉ。ガンガンと叩かれてるし、めちゃくちゃ怒鳴られてるなぁ。まぁたぶん安全だとは思うけど。エアリスくんクラスの攻撃力がある人が来たらどうしよう。馭者さんとかさ、なんかムキムキだったよね。


 そんな事を考えていたら、何やら地雷が爆発するような音と地響き。いや、地雷とか体感したことないけどさ。映画とかでは見てたからね。なんか、そんな感じだった。


「何だ!?」

「おい、あれ、騎士団の――――グアッ」

「くそっ、応援はまだかっ!」


 ――――騎士団の?

 

 誰か助けに来てくれたっぽい。

 ドッカンドッカンいってるし、トイレはビリビリと何やら衝撃波を受けてるみたいに壁やドアが揺れてるけど、どっちの攻撃なのよ。

 てか、明らかにトイレにも攻撃当ててるよね? いやまぁ、レベルアップするっぽいからいいけどさ。エアリスくんとかゼファーさんぐらいの攻撃力とかあったら、死ねるんだけど?

 

 時間にしたら、二分とか三分とかなんだと思う。ものすごく長く感じたのは、私が何もしていないし何も見えていないからなんだと思う。

 ビリビリと空気を震わせていた騒音が落ち着いた。


 コンコンと柔らかなノックのあと、優しい声が聞こえた。


「ルコ、終わりましたよ」

「――――エアリスくん?」

「はい私です。出てきて大丈夫ですよ」


 声は一緒。でも本物? 魔法がある世界だから、声真似とか可能だよね? ついエアリスくんの名前を言っちゃったから、カマかけとか出来なくなった。どうしよう?


「……」

「ルコ?」

「エアリスくんって証明できないと出れない」

「…………先日、植物園でキスしましたね?」

「……」


 ――――何を言う気だ?


「舌を絡めてキスしましたが、ルコは側面が好――――」

「うぉあぎょあおえぁぁぁぁぁ! すんませんでした! 調子こいて、ほんとすんませんでした! いつも能天気なくせに、ちょっと脳みそ使ってみようとかして、ほんとすんませんでしたぁぁぁぁ!」


 めちゃくちゃ叫びながらトイレから飛び出た。なりふり構わず飛び出た。

 飛び出た先で、エアリスくんがニコニコ笑顔で両手を広げて待ち構えていた。

 

 ――――後ろの血みどろの、なんすかね?




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

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