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134/206

134:誘拐されたらしい。

 



 いやはや、人生とは何が起こるのか分からないもので。またもやトイレに籠もっています。

 トイレのドアがガンガンと叩かれてるけど、まぁたぶん大丈夫。

 事の発端は、歩いて帰っている途中に、たぶん誘拐された事から――――。




 見知らぬ男の人、というか覆面だから知りようもないけど。覆面さんに「黙れ、殺すぞ」と言われたのでスッと黙った。そうしたら、座ってニコニコしてろと言われて、気付いたら目が見えなくなった。どうやらなんか魔法を掛けられたらしい。


「えっ、これ……一生のやつ?」

「…………一時的なものだ」

「なんだ。よかった」


 そのままニコニコを続けていろと言われたので、素直にニコニコを続けていたのに、覆面さんから「アホなのか、肝が据わっているのか」とか失礼なことを言われた。

 だってそう命令したじゃん!? 従わないと殺すって言ったじゃん!? 酷くない?


 そうこうしている内に、王都の外壁らしき場所に来たらしい。そして門番さんと何やら覆面さんが話していた。覆面とか怪しくないの? と思っていたけど、どうやら覆面は外しているらしい。だから私の目を見えなくしたのかな?


 はてさてどうしたものかと思っていたら、目が見えるようになった。


「ぬあ……眩しい…………」

「しばらく目眩がするがすぐ落ち着く」

「よかった。ありがとうございます」

「……アホなのか?」


 癖だよ! ついお礼言っちゃう人種てか国民性なんだよ。たぶんだけど。アホかどうかは、まぁ微レ存だけども!


 さて情報でも仕入れようかと話しかけてみたけど、完全無視。あんまり王都から離れたくないし、どうしようかと悩んだけど、前々から考えていた緊急時避難マニュアル脳内バージョンを捲る。脳内で。


 ――――仕方ない。


「あのぉぉぉ」

「……」

「ほんと申し訳ないんだけど、ストレスなのか食べたもの悪かったのか……お腹いたいというか、下痢出そう」

「……お前なぁ、もうちょっと恥じらって言い換えろよ…………おい! 馬車止めろ!」

 

 いや、分かりやすく伝えるためだよ。普通なら言わないよ流石に。お尻が爆発するとか、噴火するとか言うよ。…………ん? そもそも言わないのか? いやでも、馬車止めれたから成功だよ。これでいいはずだ。


「あっちの茂みでしてこい」

「はぁい」


 ガションと首輪とロープを着けられた。なにこの変態プレイとは思ったものの、流石に言うのは我慢した。

 ちらりと見た馬車の馭者席には、更にガタイのいいおじさんが帽子を深々と被って座っていた。


 ――――うむ! トイレェェェェェ!




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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