表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

132/206

132:ごちそうさまでした。

 



 あれを彼氏と呼んでいいのか……いや、そう呼ばなかったら、バレたときに壁際にドン詰めされそうだ。ちょっとヤンデレというか、グイグイだもんな。拗らせてるもんな。


「あ、もしかしてエアリス様?」

「お…………おん」

「ウッソォォォ!? きゃー! やだぁぁ! エアリス様なの!?」


 お母さん、前のめりすぎです。あと、ビンスくんに知られているのか。なぜだ? そんなバレバレな行動取った覚えないぞ。


「ギルドで噂になってましたよ」

「え? なんて?」

「あの堅物エアリス様が微笑んでいたとか、手繋ぎデートしていたとか、いろいろ」

「……ぬぐぅ」


 噂になるほどか。なんだこれ、ちょっと恥ずかしい。

 テーブルにゴンと頭を打ち付けて下を向いていたら、一番下の妹ちゃんが「おなかいっぱい? ねむねむ?」と聞いてきた。可愛い。癒される。

 お腹はわりといっぱいになりましたです。眠くはないですはい。


「あらあらあら、初々しいわぁ! お父さん思い出しちゃう!」


 ビンスくんたちのお父さんは、一番下の妹ちゃんが生まれる直前に事故でこの世を去ったらしい。それからビンスくんはずっとみんなのお父さんになろうと頑張っているのだとか。

 お母さんがにこにこして良い息子でしょう? と聞いてきたので、高速頷きした。いやほんと良い息子だよ。あと、気が長いね。そこそこ覚えの悪い私に、根気強く何回も教えてくれるんだよ。まじで良い子だよ。


「学校の先生とかに向いてるなぁって。ちょっとナメられそうではあるけど」

「そうなのよぉ! 甘いのよねぇ」

「でも締めるとこはちゃんと締めますね」

「そうそうそう! もぉ、背伸びしちゃってぇ!」

「母さんっ!」


 お母さんがキャッキャと笑ってはビンスくん文句を言われていた。


 久しぶりに騒がしい感じでのご飯は、親戚の集まりみたいで凄く楽しくて、ちょっとだけ寂しさも覚えてしまった。




「ごちそうさまでしたー」


 ビンスくんの家を去り際にそう言ったら、一番上の妹ちゃんに「それはこっちのセリフでしょ」って突っ込まれて、みんなに笑われてしまった。

 そしてちょっと照れ気味にまた遊びに来いとも言われた。なにこれ可愛い。


 ビンスくんに明日の予定を聞くと、空いているとのことだったので、また明日も頼んで良いか聞くと、もちろんだと頷いてくれた。

 明日もがんばろう!

 今日覚えたことは、帰ってもう一度復習だ。でないと、寝たら忘れる自信がある!

 

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ