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129/206

129:背に腹は代えられない。

 



「あっ、こらっ!」

「うっわぁぁぁ! ごちそうだぁ!」


 カバンから取り出した大量のフライドチキンを見て、三人が目を輝かせていた。妙に私を警戒している一番上のお姉ちゃんも、気持ちがチキンに惹かれてるようだった。

 他に丸パンやサラダやスープ、スクランブルエッグも買ってきている。

 テーブルに全てを並べて、もうすぐ帰ってくるらしいお母さんを待つことにした。


「にぃちゃ、おしっこいく」

「一人で行けるだろ?」

「や。こわい」


 ――――ほむん?


 ビンスくんの家は、まぁ現代からするとあれだ、掘っ立て小屋感満載で、トイレが家の中にはない。

 つまり、外にぼっとんちゃんがいるわけだ。

 あと、私もトイレ行きたい……。え、嫌だ。ナチュラルに、嫌だ。郷に入っては郷に従うときはそうするしかないが、トイレは嫌だ。いーやーだー! だって、持ってるんだもん!


「うぐぐぐぐぐ……」

「え、どうしたの? あんた……お腹痛いの?」


 一番上の子が警戒しつつ心配してくれた。流石ビンスくんの妹だ。優しいじゃないか。大丈夫、おしっこしたいだけだ。


「小さい子じゃないんだから、おしっこって普通に言わないの!」

「えっ、ごめん?」


 もしや普通は『おしっこ行ってくるー』とか『ちょ、ウンコ!』とか言わないのか?

 ギリギリのときは『ちょっとおしっこ漏らしてくるねー』というパターンもあるぞ?


「キャハハハハハ! もらす、だめぇ! ニャハハハハ」


 一番下の子が大笑いしだした。いや、きみ、おしっこ行きたいんだよね? 笑うとガチで漏らす年齢じゃ…………。ええい! ちょっとトイレ行くぞ!


「あ、案内するね」


 家の裏に案内された。

 隣の家とはちょっとだけ距離があるので、トイレはビンスくんの家しか使ってないと言われて、戸建ての家でもトイレ共同パターンがあるのだと知った。


「トイレ!」

「「えっ」」


 勢いよく、ちょっと綺麗め、初期の次の次くらいの水洗トイレを呼び出した。

 下の子の小ささも考えて、便座に被せる子供用便座を備品として想像したら、ちゃんと出てきてくれた。ラッキー!


「え……これ…………ギルドの入口にあった……」

「そうそう。てことは、ビンスくん使ったことある?」

「え……はい」


 それなら説明が端的で済むから有り難い。

 電気を点けて、便座に子供用便座を被せ、小さい子はこれをするとお尻が落ちないよと言って、私はトイレから出た。

 よし、早くおしっこしといで。説明している間に、こっちの膀胱もギリギリになってきたからっ! 早くっ!




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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