表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

128/206

128:午後のお勉強。

 



 午後も二人で本を使いながら勉強。

 本っていうか、絵本。ゼファーさんの家でも見せられてたなぁ。

 絵は結構ふんわりしてて可愛いけども。


 ちなみにトイレは、一番小さいのを想像して、図書館裏に出してこっそりと消してを繰り返した。


「お、おむ……ん? つ?」

「はい。これはオムレツです」

「ほうほう。オムレツをなんかする物語ね?」

「ええ。さて、これは?」


 ――――むむむ?


 なんとなく見たぞ。こ? こ……も……メニューに……あっ!


「子ども!」

「はい、よくできましたね。ここには『子どもがオムレツを食べたいと泣いています』と書いてあります」

「んー……これが食べたい、ね?」


 ノートに『食べたい』という文字を書き写して、次の『泣いている』を更に書き写した。


「あ、ねぇ、『泣く』はこれ?」

「あー、こうですね」

「でた! 謎のぴょろん文字」

「あはははは! ぴょろんしてますもんね」


 ビンスくんが涙目になりながら笑っていた。何がそんなに面白かったのかと思ったら、妹ちゃんたちも同じようなことを言っていたのだとか。

 いい大人なのに、幼児と同レベルなのか……。


「じゃあ、このぴょろんが短くなった時はどの文字になるか、覚えていますか?」

「えっと……『し』?」

「はい正解です」

「むはは!」


 褒められて伸びる子とは、私のことである。

 

 こんな感じで、少しずつ読み進めながら、単語単語を覚えていった。お屋敷に戻ったら、単語帳でも作ろうかなぁ。




 午後の勉強も楽しく終えた。

 ビンスくんは遠慮したけど、夕食は持ち帰りにして妹ちゃんたちの分も買うことにした。

 聞いたら、お母さんは結構夜遅くまで働いていて、それから夕食の準備をしているらしい。


「本当にいいんですか?」

「いいよぉ。それに妹ちゃんたちに会ってみたいし」


 話を聞いていると、なんだか従姉妹の子どもを思い出して、小さい子と戯れたい気分になったのだ。


「にぃちゃ、おかえりぃ!」

「早かったね? 儲けた?」

「「えっ? 誰!? 彼女!?」」


 ビンスくんの家に着いた瞬間、四人の女の子がわらわらと集まってきた。

 

「あぅ……彼女じゃないよ。依頼主」

「え? なんで連れ込んでるの?」


 一番上っぽい女の子が、怪訝な顔をしていた。そりゃそうだと事の成り行きを説明すると、下の子たちがビンスくんの持っていた食べ物が入ったカバンを奪い取っていた。

 もしや欠食児童か!?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ