表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

123/206

123:依頼書。

 



 ルンタッタと歩いて冒険者ギルドに向かった。

 ゼファーさんのお屋敷のトイレは回収済み。ギルド入口のとこに置いていたトイレはちゃんとあるのか、ドキドキして見に行ったら、ちゃんとあった。ホッ。


 ちょうどトイレから出てきた冒険者風のお姉さんに、トイレの使用感はどうかと聞いてみた。

 

「え? なんで? あ、アンタ怖くて使ってないの? バッカねぇ、さっさと使ってみなさいよ。もうここでしかトイレに行けなくなるわよ!」


 …………それは逆にマズいのでは? いやいいのか? いや、ダメだよね? あ、使用料取るの忘れてたや。海外のシステムにしようかと思ってたんだよね。

 一回五十ルドくらいなら取れそうな気がする。あ、でもお金を払いたいと思うのは、それが良いものだと知っているからか。

 それなら今は、お試し期間&周知期間だから、いいか。


 おねぇさんにお礼を言って、二階に行くとギルド長がいた。


「おはようございます」

「はよぉさん。今日はめぼしいのは来とらんぞ」

「んー……あ、依頼も出せるんですっけ?」

「おう、出せるぞ。なんか困っとるんか?」


 数字や簡単な文字を覚えたいこと、教室に通うことも考えたけど、私の脳みそ的にマンツーマンのほうが覚えやすい気がする。


「なるほどのぉ。レイラ様でもいい気がするがな?」

「それも考えたんですけどね、能力を売り込むためにも、どんどんと人と関わったほうがいいかなと」

「確かにの! おーい」


 ギルド長が受付のお姉さんの一人を手招きして、私に依頼書の書き方を教えるように言った。

 お手を煩わせてすみませんと頭を下げたら、お姉さんがむしろこっちがお礼を言いたかったんだと言う。なんのこっちゃいと首をかしげていると、トイレでめちゃくちゃ助かったのだと。


 ――――あ、ドギュルルル?


 分かるよぉ、その気持ち。めちゃくちゃ分かる。勢い余って異世界にきちゃうくらい大惨事になるからね。


「あ、いえ……元来のトイレの掃除が免除されたので」

「なんだ。ってか、そんなにエグいんですか?」

「え?」

「いや、こっちの世界のトイレ、怖くて使ったことないんですよね。自分でトイレ呼び出せるし」

 

 お姉さんが目を見開いたあと、ボソリと羨ましいと呟いた。そう言われるほどのものなのか、この世界のトイレは。

 試しに、ちょっと一回くらいは…………とか思ってたけど、やっぱなしなしなし! 絶対に使わんぞ! と心に決めた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ