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104/206

104:それぞれの覚悟。

 



 声が聞こえてきた方を向くと、やっぱりいた。聞き覚えがめちゃくちゃあったもんな。エアリスくんと、ゼファーさんだよね。


 エアリスくんが馬から降りてこちらに駆け寄ってきた。顔面蒼白だけど、どうしたよ?


「怪我は!?」

「んおあっ、ないよ、ちょ、んぶっ!」


 グリングリン身体を回転させられ、顔をハンカチでゴシゴシ拭かれた。土煙で薄汚れていたらしい。ありがとうだけど、拭き方が雑いよ?

 

「あ! ラウちゃんどうなっ……うわぁぁぁぁ! すごっ! 刺さってるよ! 刺さってる! 壁に剣が刺さってる!」


 エアリスくんをペイッと避けて、ラウちゃんのほうに駆け寄った。でもラウちゃんは、納得がいっていない顔をしていた。

 理由を聞いてみると、完全に破壊するつもりで攻撃したのだと。かなりの魔力を使って。


「っ、父とね、魔力頼りじゃない戦い方の訓練してたの――――」


 でも、今できる最大の攻撃は、多重バフで底上げしてからの高火力斬撃だから、本気でやった。そうしたら、その本気でさえも破壊できなかったのが、とてつもなく悔しかったそうだ。ラウちゃんが涙目になって、トテトテと走ってダンさんに抱きついていた。


「ははぁん。その二人が『剣聖親子』か。んでもって、その二人でも破壊は無理だったか」


 剣聖親子とはなんぞや? と聞きたいがなんだかそんな雰囲気ではないっぽい。なぜなら、さっきの爆発やら何やらで、野次馬が集まりだしている。

 ひと気のないところだったけど、けっこう遠くから見えていたらしい。


「エアリス、俺らも試そうぜ? お前も、やってはみたい、って話してたよな?」

「それは……そうですが」

「ルコの存在はどうせ直ぐにバレるし、いいだろ」

「……そうですね」


 何やら私抜きで話がまとまっている。よくわからんが、このままトイレ攻撃チャレンジを続けるらしい。

 まぁ、私はトイレ出すだけの人だし、どうでもいいんだけどね。


「ルコ、これと全く同じのあと二個出せ」

「…………出してください、ルコ様で!」

「ルコ、お願いします……」


 困り顔のエアリスくんにお願いされると、ちょっと弱い。だってなんか可哀想に見えるんだもん。

 

「もぉ。トイレ!」


 頭の中でトイレのタイプをしっかりと指定して、呼び出す。ちゃんと同じものが二個出てきた。

 

「どっちから行く?」

「……私から」


 なぜに、みんな覚悟を決めた顔をするんだよぉ。それトイレだからね!?




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

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