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103/206

103:爆風、そして――――。

 



 土煙が収まって、ケホッとなりつつトイレを見ると、壁に大きな切り傷が出来ていた。傷の周りは少し溶けたようになっていて、何かが焦げたような臭いがしている。


「おわぁ、すっご!」


 深さ二センチくらいは抉れてるし、私は本気で凄いと思ったんだけど、二人はそうではなかったらしい。


「たったこれだけか」

「壊れなかった…………」


 ダンさんが『たった』と言ったけど、そもそもコンクリみたいな壁を剣で抉れるものなのかという疑問があるんだけど、ここは剣と魔法の世界だしそんなものなのかもしれない。


「ラウもやってみろ」

「っ……うん」


 なぜそんなにも決死の覚悟みたいな顔になるのよ。相手はトイレだよ……てか、ラウちゃんは色々な魔法を使って大剣を使っているんだよね?


「えと、無理に魔力消費とかはしないよね?」

「それは大丈夫だけど、もう心折れそう」

「えっ、いや、えっ!? ご、ごめんっ……がががががんばってぇ」


 なんと言っていいのか分からなくて、結局もごもごしながら応援したら、クスリと笑われた。そして変だと言われてしまった。

 普通は、自分のスキルに自信を持って、絶対に破られないぞとドヤるものだと。

 いや、でもそいつトイレじゃん? という気分ではある。でも、この世界の人たちは凄いって言ってくれてるんだから、自信持っていいのかもしれない。

 トイレドヤァァァ! って…………いや、やっぱアホっぽい。


「いってくるね」

「うん! 頑張って!」


 胸の前で手を組んで、ラウちゃんが集中する姿を後ろから見守った。

 剣がふわりと輝き、その光が剣に張り付くような感じに見えた。そしてそれが何度か繰り返された。


「ラウちゃんは何をしてるんですか?」

「刀身の強化を三重掛けと、速度強化が二重、炎属性の追加、闇属性の追加、衝撃緩和だな」


 ――――どんだけ!?


 そんなに多重に魔法かけたら、流石に木っ端微塵じゃ? とソワソワしていたら、ラウちゃんがたたっとトイレに向かって走り出した。

 なんか漏れそうな雰囲気に見えるのは、私の脳みそが残念なだけ。

 

 ラウちゃんが、ダンさんと同じように剣を水平に構え、勢いよく振り抜いた瞬間、刀身が四本くらいにブレて見えた。そして、完全なる爆発を目の当たりにした。

 なんで剣撃なのに爆発すんのよ! と言いたいが、ダンさんのときもだったから、そういうもんなんだろうな……と思うしかない。

 

「……ゴホッ。煙すご――――」

「何をしているんですか!」

「楽しそうな事やってんなぁ」


 煙がすごくて何も見えないね、とダンさんに話しかけようとした瞬間、聞き覚えのある声。 


 ――――なんか、怒られそ?




連日の報告ですみません。

またまたまた、短編出してます☆

スキマ時間にでもぞんぞヽ(=´▽`=)ノ

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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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