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102/206

102:危険人物。

 



 返事が来るまでは、訓練したりして過ごそうとしていたけど、思いのほか早く返事が戻ってきた。


「いまどこにいる? と書かれているぞ。あと……手紙が男の文字だったが…………代筆したのは誰なのか説明しろ、エアリスから殺される、俺が! って走り書きがある…………エアリスってあのエアリスだよな?」

「そのエアリスだと思います……なぜにゼファーさんが殺されるんだろ?」

「分からん…………とりあえず返事を書こう」


 ダンさんがサラサラサラサラと結構長めに書いていた。内容を聞くと、ダンさんたちの説明と、手紙を送ることになった説明と、今いる場所の説明。補足説明ばかりさせて申し訳ない。


「ここの下のとこに、『どうせ余計なこと言ったんでしょ? 一度軽く殺されてみるといいと思います』って書いてください」

「いや、だから、英雄……」


 ダンさんは、ゼファーさんの扱いが納得できないらしい。本人と知り合えばきっと認識も変わるよ、と背中をぽんぽんと叩いて慰めておいた。だから書け。


「さて、ゼファーさんが来るまでトイレの耐久チャレンジしてみましょうよ。あ、どうせなら同じもの出してそれぞれで試す?」

「同じの出せるの? ルコ、魔力を使いすぎるのダメ」


 ラウちゃんが尊いっ! 優しい! 可愛い!

 わーっと駆け寄って、ぎゅむむむっと抱きしめた。


「心配してくれてありがとぉぉぉ。魔力1しか使わないから大丈夫!」

「え……消費1なの? ……父、ルコが一番危険人物だよ?」

「ちょぉぉぉい! なんで敵認定するのぉぉぉ! 私自身に戦闘力がないんだよ!? すぐ死ぬから! すーぐ死んじゃうからぁぁぁ」


 見捨てるな、私を味方認定して守ってぇとラウちゃんを更に抱きしめたら、クスクスと笑われて、頭を撫でられた。


「うん。ルコは私が守るよ。大丈夫大丈夫」


 ――――ラウちゃん、カッコイイィィィィ。


 軽く本気ではあったけど、茶番劇を終了して、トイレを攻撃してみようタイム。

 先ずはダンさん。大剣を大きく振りかぶり壁に叩き込んだ。カギョォォォンと金属の嘶きのような音がした。トイレの壁には少し傷がついていた。

 

「…………次、本気でいってみる」


 いやまて、今のもかなりの気迫を感じていたんだけど?


 ダンさんが少し距離を取って、地面と水平になるように剣を構えた。まるでホームランを打つ直前のような格好。その状態でしばらく止まっていると、剣が鈍く光りだした。


「ルコ、少し下がって」


 ラウちゃんに腕を引かれ、二メートルほど後ろに下がった瞬間だった。

 ズガンというかドカンというか、ドフンというか。爆発したような音と、暴風。

 

「わっぷ」


 辺りが煙に包まれた。


 ――――何も見えん!




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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