表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】LV1魔王に転生したおっさん絵師の異世界スローライフ~世界征服は完了してたので二次嫁そっくりの女騎士さんと平和な世界を満喫します~  作者: 東雲飛鶴
第六章 駆け落ちカップルは賞金稼ぎでした

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/52

第20話 女騎士さん、再会する

「で……。なんで兎とドラゴンがついてくるわけよ」


 昼下がり、みんなで城下の洋菓子店にくりだした。

 近隣諸国で評判の店が、いよいよこの魔王国の城下で出店した。

 ……という情報を、ロインがマイセンから得たからである。


「「観察だ」」

「政治局員だなまるで」

「時々わけわかんないこと言うよね、アキラ」

「魔王だからきにしないで」

「おやつが欲しいだけなら、ちゃんと買っていくのに」

「モギナスからお小遣いもらってっし、俺がいれば、だいたいの店でツケが効くからなー」

「魔王財布便利ーちょーべんりー」

「まるでATMみたいな言い方しないでくんない?」

「えーてぃーえむ、ってなによ」

「異国にある機械だ。無人の銀行みたいなもんだな。雑貨屋の店先や駅や港の待合に置いてあって、あらかじめ預金しておいた金を取り出すことが出来る」

「うわーべんりー。……なんで魔王国にはそれないの?」

「この界隈の国は、通貨がみんなコインだろ。その機械を使うには、発行する貨幣を紙幣にする必要があんのよ」

「しへい……?」

「こーいうやつ」


 晶はポケットから財布を取り出し、日本銀行券を見せた。


「こ……これ、異国のお金? すごい……こまかい印刷……紙も薄いのに丈夫そう……ぞ、象嵌までしてある!!!! も、もも、ものすごい価値があるんじゃ……」


「その国では高額のがこういう紙のやつで、小さい金額のがコインなんだよ。たくさんお金がある時でも、持ち運びに便利だろ? 紙幣ってのはまあ、国が価値を保証する小切手みたいなもんだな。だから国が安定してないと、紙くずになっちまう」


「……しへいってのを作るって、すごくたいへんなんだね……」


「印刷技術や製紙技術だけありゃあいいってもんじゃねえからな。だから、このへんで流通するのはずっと先だろうなあ」


「魔族の国ってすごい文明進んでると思ってたけど……もっと進んでる国ってあるんだね」

「そういうこった。お勉強はそのぐらいでいいかい? はやく買いにいこうぜ」


                  ☆


「ふー……。あぶなかった。もうちょっと遅かったら売り切れてたねー」

「お前があちこち寄り道してっからだろ、ロイン」

「だってーだってー(略)」


 買い物を済ませて城下の商店街をぷらぷら歩いていると、おのぼりさんのロインが、あっちの店こっちの店と覗き込むので、ちっとも城に戻れない。


 ん!?


「危ない!」

「きゃっ」


 往来で何かの接近を察知した晶が、ロインの腕を引っぱり路肩に避けた。

 すぐさま、男が全速力で目の前を通過していった。


「うわ、あぶなかった……」

「ぼーっとしていたら、お土産が台無しになっていたところだな」


『ぎゃあッ!!』

 通過して数秒後の悲鳴。

 そして、どう、っと倒れる音。


「へ? なんだなんだ」


 晶が声のした方を見ると、先ほどの男が足を抱えて倒れていた。

 ひどく苦しそうに呻いている。

 よく見ると、足に矢を受けていた。


「そいつを捕まえてくれ!」


 叫びながら駆け寄ってくる、男とその連れの女。

 男は大剣を、女は弓を手にしている。

 まるで、どこぞの魔獣ハンターのようだ、と晶は思った。

 二人は倒れた男に駆け寄ると、手際よく縄で拘束した。


「……あれ? もしかして」

「どうした、ロイン」


「「あ――――――ッ!!!!」」


 ロインと、二人組の女の方が、互いを指さしてシャウトした。


「な、なんだ、知り合いか?」


「「元同級生です!!」」


「なんだってええ――!」


 ……ロインよ、お前の同級生って一体……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ