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へんてこ ルーレットくん

作者: やまくま

久々の投稿です。

ここは まちの パンやさん。 おじさんと おばさんが やっている 『ちいさなパンやさん』です。

なまえの とおり ちいさな パンやさん ですが、おいしいと ひょうばんの おみせです。


あるひ、おみせに へんてこな おきゃくさんが やってきました。


「こんにちは! ぼく、ルーレットくんだよ!」


げんきな こえで おみせに はいってきたのは、そのなのとおり ルーレットでした。

かおが おおきな ルーレットになっていて、ちゃんと ほそい てと あしが ついています。

てに さげている あおい カバンにも 『ルーレットくん』と かいてあります。


「い、いらっしゃい……」


パンやの おじさんと おばさんは、めを まるくしました。

ルーレットくんは、おおきな めを きらきらさせながら、きれいに ならべられた パンを みまわしています。


「わあ、いろんな パンが あるなあ! どれも おいしそう! あんパンに カレーパンに クリームパン! ああ、 メロンパンもある! やっほー!」


げんきな ルーレットくんの ようすを みているうちに、おじさんも おばさんも えがおに なっていきました。


「これ、みんな おじさんたちが つくったの?」


ルーレットくんの おおきな こえに つられて、


「ああ、そうだよ!」


「ぜーんぶ わたしたちの てづくりよ」


おじさんんと おばさんも、 おおきく うなずいてしまいました。


「すっごーい!」


ルーレットくんが りょうてを あげて、 うれしそに ふりました。


「どの パンが ほしいんだい?」


おじさんが たずねると、


「ぼく、なんでも ルーレットで きめるんだよ。 ようし、 まずは パンを いくつ かうか、 ルーレットで きめるぞ」


ルーレットの もじが、 『1』や 『3』などの すうじに なりました。


「ルーレット、スタート!」


ルーレットくんが おおきな こえを あげると、 かおの ルーレットが まわりはじめました。


トゥルルルルル……。


ルーレットが、 『4』で とまりました。


「よし! パンを 4つ かうよ! さあ、 ここからが ほんばんだぞ! どの パンを かうか ルーレットで きめるぞ!」


ルーレットの もじが、『あんパン』や 『カレーパン』など、パンの なまえに なりました。


「ルーレット、スタート!」


トゥルルルルル……。


ルーレットが、 『あんパン』で とまりました。


「よし! ひとつめは あんパンだ!」


ルーレットくんが、トレーに あんパンを のせました。


「それじゃ、ふたつめの パンを きめるよ。 ルーレット、 スタート!」


トゥルルルルル……。


ルーレットが、やはり 『あんパン』で とまりました。


「あー、 こんども あんパンか。 まあ、 いいや。 それじゃ、 みっつめを きめるよ。 ルーレット、 スタート!」


トゥルルルルル……。


みっつめも 『あんパン』 でした。


「あーん、 なんで あんパンばかりなんだよ~。 メロンパンも たべたいのに~」


ルーレットくんが、 からだを バタバタと ゆらしました。


「すきな パンを たべればいいんじゃないかな?」


みかねた おじさんが やさしく こえを かけましたが、


「それじゃ だめなんだよ。ぼくは ルーレットだから なんでも ルーレットで きめなきゃいけないんだ」


ルーレットくんが、 くちを とがらせています。


そのとき、 おばさんが パチンと てを たたきました。


「それなら メロンパンを かうか かわないかを ルーレットで きめたらどうかしら?」


なるほど! ルーレットくんの かおが、 ぱあっと あかるくなりました。


「そうか! そもてが あった! おばさん、ありがとう!」


ルーレットくんが、 てを つきあげて さけびました。


「ようし、 メロンパン・ルーレット、 スタート!」


もじが、 『かう』 『かわない』に かわり、ルーレットが まわりはじめました。


トゥルルルルル……。かう、 かわない、 かう、 かわない、 かう、 かわない……。


はたして ルーレットは どちらで とまるのでしょう? おじさんと おばさんも じっと みつめました。 そして—————。


ルーレットは、『かう』で とまりました。


「やったー! メロンパンも かえるぞー!」


ルーレットくんはとびあがり、 おじさんたちは はくしゅをしました。


「あんパンが ひとつ 100えんで、メロンパンが 200えんだから、 ぜんぶで 500えんだね」


おじさんが パンを ふくろを いれながら いうと、ルーレットくんが てを よこに ふりました。


「ちがう ちがう。 ねだんも ぼくの ルーレットで きめるんだ」


「えっ?」


おじさんたちが おどろいていると、ルーレットの もじが すうじに かわり、まわりはじめました。


「さあ、あんパンの ねだんは?」


トゥルルルルル……。


「ひとつ 1まんえん!」


「メロンパンは……」


トゥルルルルル……。


「ひとつ 100まんえん!」


ルーレットくんが かばんから 103まんえんを とりだし、 カウンターに おきました。


「ありがとう! またね!」


ルーレットくんは、えがおで みせを でていきました。

おどろきのあまり、おじさんも おばさんも くちを あけたままに なりましたが—————。


「い、 いや、 ちょっと、 ちょっとー!」


103まんえんを もって、 ルーレットくんを おいかけましたとさ。


おしまい

 

読んでくれてありがとう。

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