第1章〜彼の過去は....?〜
「うぅん?」
「....リア......シリア......シリア!」
「ひゃぁ!」
「大丈夫か?」
「う、うんなんとかね。」
「そして今の状態なんだがな....何やら見えない壁があって進めないんだ」
「.....あのお爺さんは【見てこい】と言いました。しかし本当に過去に戻れるとは思いません。おそらくここはアルさんの心の中なのではないでしょうか?」
「なるほど....一説はそうだな。」
「.....ですが現実へ戻る方法が....」
「.....」
するとぼぅっとした光が現れシリアとミーアは包まれたのだった。
「きゃっ!」
「....っ」
「ここは....病院か?」
「....どうでしょう?」
『見るのに錠がかかっているとはな』
「!」
『ここは現実じゃよ。』
「なぁ...爺さん教えて...」
コンコンと扉を叩く音がすると同時に〈神〉と名乗った爺さんは消えてしまった。
ガラガラと勢い良くドアが開く。
「倒れたって聞いたけど大丈夫だったか?」
「.....あ、えと大丈夫ですよ!エドさん!」
「.....ん」
「そうかそれなら良いんだがな。」
「エドさんは神というものを信じますか?」
「....どうした?突然。」
「いいえ。気になったのです。」
「うーん。まぁ信じる方かなぁ?」
「エドさん。貴方の一番古い記憶はなんですか?」
「え......」
エドは考える素振りをし、後に顔を上げてこういった。
「.....あれ?....子供のときの記憶がない....」
「貴方は孤児で。しかも種族を人間と言いましたね?人間はこう言われて育ちます。〈悪魔とヴァンパイアは敵だ。〉とね。貴方は私を嫌わなかった。どうしてでしょう。」
「お....れは....」
「.....ま、まぁシリア落ち着けよ!な?エドも今日はつかれたろ?今日は休みなよ。」
「....あぁ」
「あ、あと追い詰めるような言い方で言ってごめんなさい...」
トボトボとエドは病室から出ていった。ミーアはそんなエドの姿を見ていて思ったのは。
あの目の光は.....いやあるはずがない。決して....決して
「ミーア?どうしたの?」
「な、なんでもないよ。」
「顔色悪いよ?」
「大丈夫。ちょっと体調が悪いだけ。」
「じゃあ今日は私達も休もっか!」
「う、うん」
誤字などがありましたら教えて下さいm(_ _)m