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少年ケイン困る

なんか朝から煩いな。


「おかしい。願いの数が全然増えない」


くっだらないことで俺の安眠を妨害するとか。


「くだらなくないわよ。だって、ここ数日アンタの願い聞いてるのにカウントされないの変でしょ?」


またその説明か。何回同じこと言わせるんだ。


「ナホ。薬草採取のクエストって何回受けた?」


「4日だから4回ね。それがどうしたの?」


「薬草採取4種類受けたってならないよな?」


「えっ?つまり……」


そう。食事を用意するのも、俺を満足させるのもそれぞれ何回頼んでも1種類、いや合わせて2種類か。それだけなの。3種類には何年頼んでもならないの。


「このぉ!悪魔ぁ!」


まぁ、待て。ホントなら俺を満足させきれとか、悪魔との勝負でお馴染みの戯曲のようなお願いをしたら、一回で長く遊べるのを小分けしてあげてるんだ。


「つまりアンタの匙加減よね?」


「そういうこと♪それじゃあ楽しいこと探しに外へ出るぞ!」




ケンは普通に歩いてはいるが、ナホはケンの腕に絡みながら歩いてる。

笑顔で愛を囁いているので傍目からはカップルか何かだろう。お願いの強制力が無ければ。

ケンは召喚された勇者がいなくなったと王都が騒いでるのを知って、髪の色と目の色だけではなく顔も変えた。


そうして歩いていると1人の子供が目に入る。


「少年。どうした?困った顔をしているな」


「あの。僕の弟が街の外に出てしまったみたいなんです。それで冒険者にお願いしたいんだけどお金がなくて」


「あら、そうなの。それは」

「それは大変だな。両親は?」


「お母さんは病気で死んじゃって、お父さんは今セドンの町に仕事で行ってるの」


「よし。ナホ助けに行くぞ。少年、弟の名前は」


「僕はケイン。弟はクルトです。でもお金がなくて、本当にいいんですか?」


「お金はいらない。けど助けたら2人共俺の説教を受けろ。それが条件な」


「はい!ありがとうございます!」


そうしてイアンの村を出てナホにクルトの居場所をお願いするとアッサリと見つかった。


「おい。クルトがフォレストウルフに囲まれてるぞ!身体を張って命を賭してモンスターを倒せ」


そうナホに言いながらも既にクルトを抱きかかえて、後方に移動し安全は確保している。

半泣きのクルトを泣き止ませ、兄ケインの依頼で助けに来たことを説明する。なんかナホが騒がしいな。


ふと、ナホの方に目をやると。



「さて狼共!この地面に私の悪魔としての核を置いてあげる。私が狼を殲滅するか、この核を壊されるか勝負よ!」


おーおー。ステータスはここの冒険者と比べ、ある程度強くしてるからあんな狼相手なんて瞬殺だろうに。なんか楽しそうだな。

あっ、そうか。俺が身体を張って命を賭してって言ったからか。失敗失敗。


そのせいか魔法も使わないで戦ってる。残り2匹だ。

同時攻撃によってカスリ傷を作るナホ。そしてその隙きを上手く突き核に走り出す1匹の狼。


「ったく。ムシャクシャする。ファイヤーボール」


音速を越した火の玉がフォレストウルフに当たり骨も残らない。

ケンはナホの核を拾い手渡した。さて、戻るかな。


「ちょ!私の柔肌に傷が!ってあれ?無くなってる……アンタもしかして!」


「おーい。さっさと戻らないとケインが心配してるぞー」


イアンまで戻ってきたけど待ち合わせ場所とか決めてなかった。失敗失敗。今日は失敗が多いな。気を付けないと。

そう思いつつ門をくぐるとケインがいた。


「ここで待っててくれてたのか?」


「お兄ちゃんありがとう!僕死ぬとこだったよ!」


よし、報酬の説教タイムだ。


「まずクルト。何かしたいことあったんだろうけど危険なことしたら駄目だぞ!」


「はい」


「そしてケイン。お前もまだ小さい。だから今は仕方ないけど、誰かを守りたいなら他力本願じゃなく自分で助けれるように鍛えとけ。わかったか?」


小声でナホが、他力本願とかどの口が言ってるのよと呟いたが、それを聞き逃すケンではない。


「はい。ありがとうございます」


2人の頭を撫でてさよならを済ませ宿に戻る2人。


「ナホ。他人の魂で自分の利益をあげる悪魔って他力本願だよな?」


「何言ってんのよ。その魂を集めたのは悪魔なんだからその悪魔の力よ」


「なら悪魔から願いを叶えて貰った俺も他力本願じゃなく俺の力だよな?」


「はいはい。そうですね。もう、悪魔に口で勝つとかアンタ何者よ。そういえば私の腕の傷なんだけど」


「今日は疲れたからもう寝るぞ」


そう言ったが早いかナホの胸に顔を埋めて寝るケン。

すでに寝息までたててる。何か釈然としないナホ

むにゃむにゃと寝言まで、夢で変なお願いされたらどうしようと身構えるナホ。


俺の変な願い方のせいで危険なことさせてごめん。女性の身体に傷付けるつもりなかった。

むにゃむにゃ言ってる。けどナホにはそう聞こえた。

その後はナホの胸に吸い付いて赤ちゃんみたいにして寝てる。


「全くもう。本当は悪い奴じゃ無さそうね」

実はこの拙い文で2作品目です。

話が気になった方はブックマークやレビュー、感想等を貰えると励みになります。

誤字脱字多いので指摘して貰えると助かります。

処女作、常識チートは非常識も良ければ閲覧お願いします。

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