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元魔王なのに

「ホントにマシフとタリックス以外はマオに忠誠を誓ってないのな」


「うん。だからこそ僕とセキシンは遺恨を捨てて行動してるよ」


「違いねぇ。しかし素の魔族の実力はこんなもんかい」


マオの説得も虚しく襲って来る魔族を軽口を叩きながら屠る3人。

敵の攻撃を受け止めるタンク役のオルフェスはいとも簡単に敵の攻撃をコントロールしてケンの攻撃をしやすいようにしている。


セキシンは最小限の魔力を使い、魔族の動きを阻害しつつ、簡単に倒せる魔族を更に体力を使わないように弱点や癖を見抜き指示をしている。


そして何より、仲間強化の付いてない魔族ならオルフェスとセキシンだけでも問題なく屠ることが出来ている。

もちろん弱体化したとはいえ魔族は元々人間の上位互換となる存在だったのだ。弱いわけではない、強すぎるのだこの3人が。


「凄い。私はまだケンと肩を並べられる強さは持ってなかったのね」


「当たり前なの。あれでも手を抜いてて、あの時のことを思い出すと胸が熱くなるの」


「ふーん。でもアンタと戦った時のケンって首輪のせいで全力出せてなかったって言ってたけどね」


「確かに奴は常に戦いにくそうな感じだったな。それでも魔王様や私達を相手に互角以上だった。化物としか言いようがない」


マオから聞いた魔族を隔離した世界。魔界とでも言うべき場所のことを聞いた。

こちらでは野生動物のような生活をしているが向こうでは文化がキチンとあるそうだ。

しかしこれはケン達が迂闊としか言いようがない。それなりの水準の衣類や武器を持っているのだから少し考えればわかることである。


「しっかしこんなので効果あるの?」


「あるに決まってるの。魔王の器により統一された意志から解放された魔族は高慢でプライドが高いから簡単に挑発に乗るの」


「でもアンタの話を聞いてると、波長が合う魔族を魔王の器で従えてたのよね?」


「マオのはプライドが高いんじゃなくて可愛いから事実なの!魔王討伐の旅だって皆からチヤホヤされてたの」


そりゃプライドの高い魔族と波長が合うわけだと理解した。ナホの横でその通りです魔王様!とイエスマンがうざったいと感じている。


「それならその可愛さで魔族をもう一度従えなさいよ」


「無茶なの。魔族の価値観は神や悪魔と戦うことなの。そのために人間を利用しているから、その人間サイドに回った元魔王の言うことなんて誰も聞かないの」


そんな会話をしながら人の流れに逆らって、暴れても多少問題ない所までたどり着いた。


「よし。ここで待つだけだな」


「うん。後はどのくらい集まるかだね」


「少しはゆっくり出来そうかい、油断はしないが負ける気もしないねぃ」


彼らのとった作戦は、一部の魔族を半殺しにして、他の魔族を集めて纏めて相手してやると逃しただけなのだ。

もちろん予め戦いやすいこの場所を指定はしているが、どう見ても罠としか思えないこの作戦に乗るとは考えにくい。

マオの言うとおり能力だけでなくプライドまでも上昇しているのだろう。又は頭のいいバカの可能性もあるが。


「しかしルーシーちゃんから貰ったグルーネンカーリ水の回復は有り難いねぃ」


「うん。回復効果もさることながらグルーネンカーリの味を損なわず美味しく口当たりもいい」


「お前らもグルーネンカーリ知ってるのか?!」


「うん。ケンのお付きになってからは同じ食事だったけど、その前は普通に兵士やってたんだよ僕ら」


「お前さんと違って俺達何年この国にいると思ってるのかい?まさかケンが首輪のせいで決められた食事しか出来ないとは思わなかったねぃ。おかげでモンスター肉も食べれないとは、果物はいけたから目を盗んで食ってたのが懐かしいねぃ」


少し離れた所でマオが愚痴っている。


「なんか会話に入れないの。まさかあり得ないけどマオに興味ないの?ナホはなんで気にしないの?」


「ふふん。いい奥さんってのは旦那が男友達と楽しむのを邪魔しないもんなのよ。あれは男だけの同窓会みたいなもんよ。私は参加したことないぼっちだったけど」


ナホはルックスこそリア充のようだが、兄の影響で少年漫画が好きで、幼少時代は女子グループに入れず、

小学校へ上がる頃は男子が女子と遊ぶとからかわれ、仲の良かった男子も離れていった。

気が付いたら男子の趣味に合わせるあざとい女というレッテルを貼られ、そうして出来たのがコミュ障美人だ。高校に上がる頃には言い寄ってくるのも沢山いたが、殻に籠もって人と関わらないようにしていたのが、それがお高くとまってるとなり周囲との距離が離れていく。


そうして男の免疫がないまま彼氏に浮気され、男を誑かす悪魔になって自由に生きることを望んだのだが、初めて会ったケンになんか惹かれてファーストキスをしたのは自分でもわかっていない。

それはとある天使によって後押しされていたのだが、やった本人以外は知る由もないだろう。


「この不自然な人の流れは勇者の盾が上手くいってる証拠だな」


「タリックスの言うとおりなの。これで魔族がこの国から排除されればあちらに気兼ねなく行けるの」


「魔族がぞろぞろと来たわね。さっさと始末して戦争も終わらせましょう」

実はこの拙い文で2作品目です。

話が気になった方はブックマークやレビュー、感想等を貰えると励みになります。

誤字脱字多いので指摘して貰えると助かります。

処女作、常識チートは非常識も良ければ閲覧お願いします。

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