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対談

「しっかし思ったより魔族多いわね。何が兵士作りに忙しいよ!」


マシフを倒してからはアンデッドを率いてたロンサーより多少強い魔族が襲いかかってきた。

それにずっと違和感をケンは覚える。弱すぎると。ステータスが低くても、もっと手強かった筈だ。


ナホも魔族との経験は浅いがケンの言葉を聞いて過小評価はしていない。けどこの弱さはおかしいと感じているがそれを表に出さずただ突き進む。

暗いダンスホールに辿り着いたら一斉に灯りが付いた。


「まさかマシフを倒すとはな」


「久しぶりだなタリックス。魔王はどうした?」


「玉座でお前を待っている。が、私はケンを殺すために独断専行で来た。魔王様を追い詰めた上にその心までも奪うとは容認できん!」


「ちょっと!ケンどういうこと?魔王って女なの?どういう関係!」


「確かに魔王は女っちゃ女だけど、殺し合った関係以外何もないよ」


タリックスは語った。あの戦闘で死にかけて、目覚めてから魔王様の様子が変わっていったこと、そしてたまに性格が変わったかのような振る舞いをすること。そして、


「何故かケン。お前を仲間に引き入れたいと言い出したことだ!マシフは納得しお前を連れて来ようとしたが私はケンを殺すために来た!」


「ナホ。アイツが魔法効かない敵だ。正確に言うと、魔法使ってない時は何故か魔法が通らない」


魔王が生きてる。それなら魔王と一緒にいなくなったコイツも生きてるだろうと思って魔法以外の攻撃法をナホに用意させていた。


「何故魔王は生きていた。心臓を刺され首をはねられたはずだよな?不死身なのか?」


「それは知らん。あの可憐な魔王様なら不死身でもおかしくはない。お前らに首をはねられた後身体が消え、私も気が付いたら空間移動していた」


何もない所から槍を取り出したタリックスと剣で交えながら会話をする。ナホの銃は切り札にとっておきたいので俺の援助を頼んでる。


「てことは魔族全員の能力じゃないんだな。無限に復活しなくて助かったよ」


お互いの知りたいことを武器に乗せながら問答をしている。が、タリックスの戦い方が前と違う。こんなに近接戦闘が強くなかったはずだ。

仮に身体能力を上げる魔法なら気が付かないはずはない。


タリックスの隠蔽スキルが高くて俺の鑑定ではステータスは見えないが、短期間で召喚後方タイプがここまで強くなれるのか?

何か仕掛けが。今まで魔族が弱かったことと関係あるのかもしれない。マシフやタリックス、そして魔王に力を捧げてるとか。


ナホがダンスホールにあったテーブルを、風魔法と重力魔法の合わせ技でタリックスに落としたが、そのテーブルを"わざわざ"槍で破壊した。


その隙を逃さず片手を半分まで切り裂いたが切断まではいかない。タリックスが回復魔法を使う瞬間に合わせて魔法を放つも相殺され、状況はまた戻った。


なんかおかしい。あくまであれは牽制のためだ。俺と剣を交えてる程なら違う方法もあったはずだ。

そう思いながらもタリックスの攻めが激しくなりケンも防戦一方になってきた。

何故ならナホの援護がなくなっているのだ。


おかしい。何かが引っかかる。ナホはタリックスの行動に疑問を持ち考えていた。

もしかして!その思いで一度言語理解を切り、詠唱を開始する。


『戀という字を分析すれば糸し糸しと言う心、三千世界の魔族を殺しケンと朝寝がしてみたい。カインドバインド!』


ナホの行動に面を食らったが優勢な状態を崩すわけにもいかず、暗号なのか魔法の詠唱なのか判断をつかせぬままタリックスは魔族専用捕縛魔法に直撃した。


「ぐぉぉぉっ」


タリックスがやっていたことは、以前戦い手の内がケンにバレてる上に、魔族全体が不調に陥ってる状態で策を巡らし短期決戦で殺すという物だ。

ケンさえ殺せれば後の仲間に自分は殺されてもいい。そう思っていたがそれすらも叶わないと悟る。


「なんで魔法がコイツに通じる?」


「それわね、もうずっと魔法を使っていたのよ。もちろん身体強化系だと魔力を纏うからすぐバレるわ。だから自分を召喚したのよね?」


そこまでナホに言われ、観念したかのように語る。


「そうだ。弱体化した魔族には頼れんし、真正面からやれば悔しいがどうやっても勝てん。考えた策のうち裏をかき1番勝率が高い方法を選んだつもりだが無理だったか」


タリックスがしたことは召喚魔法の中でも特異なやり方だった。大量の魔力を使い、普通は出来ない自分を召喚して、能力の底上げをするくらいなら、身体強化や素直に前衛タイプを召喚したほうが早いのだから。

それだと勝てないと悟って出来る限りのことはやっていたのだが、召喚スキルを持ち似たようなことを考えていたナホに見破られてしまった。


ケンはタリックスを殺すために力を込め剣を構える。タリックスはもう話すこともせずに目を閉じたままだ。

そこへもう1人の人物が訪れる。年は10歳位のアジア系のような顔立ちはしているが彫りは濃く、美少女と言って異を唱える者はいないであろう女の子だ。


「すまない。私の部下が迷惑をかけた。ケンと話がしたいの。無理も無茶も承知で言わせてもらうがタリックスを殺さないでくれ」


両手を上げホールドアップの状態で頼み込んできた。策を重ねて人類を、ケンを苦しめてきた張本人の言葉は信じられない。


それでも無抵抗の少女の言葉を無視する2人ではなく、魔法を解除した。

タリックスは魔王に謝罪をして、魔王は2人に感謝をし、対談を望むという信じられないことを言い出したのだ。


「信じられない。それは戦ってきたお前が何よりわかってるだろ?」


鑑定

名前:マオ

種族:上位魔族

HP:3,500,000

MP:750,000


STR:52,000

VIT:48,000

INT:47,000

RES:50,000

DEX:42,000

AGI:32,000

ユニークスキル:魔王の器(不老、成長補正、言語理解、限界突破etc,etc)


「強くなったな。びっくりだ。療養してたんじゃないのか?鍛えといて対談とは恐ろしいことを」


「私を追い詰めた男を手に入れるためだ努力もするさ。ケンこそ強くなったんじゃないの?一部のステータスがあの時より倍位になってるよ」


名前:ケン=スズキ

HP:280000

MP:95000


STR:48000

VIT:63500

INT:36000

RES:45000

DEX:32000

AGI:50000


このステータスはケンもわかっていない。ただ戦ってるうちにどんどん強くなったのだ。

そのうち1つの秘密はこれからすぐに語られる。

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