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決着とリントンの正体

「女ぁ!下手に動くとコイツを殺す!」


そうマシフが叫ぶと同時に駆けてくる。が、動きが止まり苦しみだす。

するとケンの回復が終わったのか立ち上がりドヤ顔をしている。


「危なかった。ナホがいるからステータス倍増はしないと踏んでいたけど、されてたら負けたのは俺だったよ」


「な、何をした?」


「俺の懐刀をお前の耳から入れただけだよ。内蔵破壊は痛かろう?」


そう、ケンの目的は、自分に集中させるためにナホには手を出さないで貰った。

そして必殺技らしき物を当てる為に水魔法を使ったと見せかけ、その水に紛れてマーサーを体内に侵入させたのだ。

そして今、マーサーは体内を溶かしたり食べたりしてマシフはもうすぐ死ぬ。


「魔王様。すみません」


その呟きの後動かなくなり、マシフの身体からマーサーが出てきて最後まで食べた。




「本当に酷い。ケン達はここに来なくて良かった」


繁殖の為に力を使ってるのか勇者の盾達はあっさりと魔族を屠りながら軍の内部へと進む。

その中には手遅れだったり、死を望む女性もいて、手をかけてきた。


「資料によるとケンと一緒に戦い続けた英雄が2人、オルフェスとセキシンは監禁されてると。なぜそんなことをしてると思います?」


「魔族のYo!臭いがするYo!」


「この先強いのいる」


ロウフンの一言に気を引き締め直しドアに手をかける。そこにいたのは妖艶な、しかし危険な感じのする女性魔族だ。そして彼女が発した言葉は皆を止まらせるに十分な物だった。


「やっと来たわね。私の可愛い坊やリントン」


「お前、何言ってる?」


「胸がYo!デカい女はバカってホントだぜYeah!」


「ホントのことよ。リントンの過去を知ってる人いるの?リントン含めて」


その言葉に返せる者はいなかった。ロウフンとウィンナがテンプルという家名を捨て、エアルゥと出会い勇者の盾を結成してから一年半。

ルーシーに出会い、そしてリントンに会った。それぞれケンに助けられた思い出話で盛り上がったがリントンにはなかった。


ただ、ケンに助けられてきた。だから今度は助ける。それしか言わない。リントンの性格もあって勇者の盾は深くは突っ込まなかった。


ケンを助けると言ってたリントンが魔族の息子?そんなわけない。だけどもしかしたら……。その思いが4人を支配した。


「教えてあげる。そのリントンはね分かりやすく言うとオルフェスとセキシン2人の種をワタシが体内で育て上げた作品よ。でもオルフェスとセキシン。いえ2人はもういないわ、今は奴隷1、2ね。そして2人との子供いっぱい作ったけどほとんど失敗作でね、勇者ケンに近づきなさい。成功作リントンにその命令だけ入れて放したの。魔族と人間の子供は成人して出てくるから助かるわ。ケンをこの魔族ばかりの所に連れてきてくれてありがとね。ホントに母親思いでママは嬉しいわ。その子ちょっとバカだけど人間離れした能力持ってたでしょう?当たり前よ。人間より優れた魔族の上位が産んだ子供よ。出来が違うの!だからリントン。私の元へ戻ってコイツらを殺して勇者ケンを魔王様に捧げましょ」


魔族が話終わるとリントンは意を決したような顔でゆっくり歩いていく。

魔族はそれを見て微笑んで手を差し出す。勇者の盾は未だに動けないでいる。

リントンが魔族の子供?嘘だよな。本当だとしても魔族の味方なんかにならないよね?でもなんでそっちに行くの?

そんな思いが心の中で渦巻いている。そしてリントンは魔族の手を掴み……




引っ張って態勢を崩したあと思いっきりぶん殴った。


「話がなげぇ!ぶん殴るぞ!おい!誰か今の話短く」


「その若作り年増は自称リントンの母親で私達を殺した後にケンを魔王の生贄にって言ってるの!」


即座にルーシーがリントンに説明をして、ありがとうと返ってきた言葉に胸を撫で下ろす勇者の盾一同。


「いいか!勇者ケンがやっと自由なケンになれたんだ!邪魔する奴はブッ殺す!あと俺が仲間を殺すわけねーだろオバハン!」


そう、リントンはオルフェスとセキシンのケンに対する思いをしっかりと受け継ぎサポートする意思を持っている。

顔が変わろうと髪の色が変わろうともケンはケンであることを見抜いていた。リントンにとってケンはもう勇者ではないのだ。

オルフェスとセキシンは奴隷の首輪を付けられ外部に簡単に見つからないように名前を変えられてしまったのだ。


もし、ケンがオルフェスとセキシンという名前を持つ男性の居場所を探すのではなく、俺と旅した2人は今何をしている。そう願えば見つかってたであろう。

しかしケンは万が一にでも2人が死んでたら、そう思ってオルフェスとセキシンはいない。そうなったときに他の願いを試さなかった。


度重なる出産でステータスが軒並み下がり、リントンに不意打ちをされ、勇者の盾に、戦うと言うより5人がかりでただ袋叩きにあって魔族はなす術なく息絶えた。


「オルフェスとセキシンはもういないそう言ってわよね?」


「いえ、多分皆の知ってる2人はもういない。そういうニュアンスでしょう」


「もしものためにケンから教わった首輪の解除魔法。そして一時期出回った謎の最高回復薬がある」


魔族を掃討しながら遂にオルフェスとセキシンを見つけた勇者の盾。見るに耐えない位変わっているが身体はどうにか治せた。


「うん。君達は?あっ、ルーシーさんもいるんだね。僕のこと覚えてる?」


勇者の盾はこれまでのことを説明した。ケンが自由な身になり、魔王が復活し倒しに来ていると。そしてリントンのことも。


「そうかい。俺達とあの糞魔族との子供かい。思うことは色々あるけどケンと友達ってなら俺は何も言わねぃ」


「うん。で、ケンは今どこに?」

実はこの拙い文で2作品目です。

話が気になった方はブックマークやレビュー、感想等を貰えると励みになります。

誤字脱字多いので指摘して貰えると助かります。

処女作、常識チートは非常識も良ければ閲覧お願いします。

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