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欲張り

「それじゃ相手の船も見えてきたし、うちのリーダー兼船長に声をかけて」


エアルゥにそう言われたケンはこれからの作戦を伝えた。相手のデカい船に近づいて、声をかけたら停まってくれ。その後は揺れに備えてほしいと。デカい船は全部で3隻。


そしてケンは勇者の盾に聞いた。今の戦争で出てきた急に強い兵士達のことを。


「ランウィさんはある程度予測してるんだろ?今の戦ってる向こうの兵士は産まれたてだって」


魔族が人間と掛け合わせる為に作られた存在。そして魔族が裏から支配してる可能性。何よりナホのスキル女の感で気付いた違和感。


それらを組み合わせて考えたら今の兵士達は半魔族であるとケンは考えてる。


「その顔はお父さんと同じ考えに辿り着いたのね。魔族が男と女どちらかはわからないけど、きっと向こうは地獄絵図よ」


決意を新たに固め、今の戦いに集中する皆。まずは距離を測り射程距離まで近づく。


「今だ!停まってくれ!」


スピードを出した船を水の上で動きを止めるにはかなりの距離が必要だ。だけどリントンの操船技術は急旋回し一回転し、減速に成功した。


「後は任せて!」


ナホが重力魔法と風魔法を使い船にかける。そしてアイテムボックスに大量の海水を、それこそ水位が数メートル変わるほどの量を一瞬でしまった。


繋がっていればかなりの体積の物も一瞬か。大陸とか島とかやったらどうなるんだろう。

そんなことを思いつつも次の動作に入る。


ケン達がのる船以外は水位が2~3メートルも下がったのについて行けず一瞬宙に浮いた。その瞬間をケンは待っていた。


「ケンの必殺剣、秘剣その壱、飛剣三連剣!」

「ちょっと!流石に言葉が渋滞を起こしてるわ!」


ナホの突っ込みと同時にケンから飛ぶ斬撃が放たれ、魔族が乗っている船の下横に穴が空いた。3隻。

すかさずナホはアイテムボックスから海水を戻す。するとまた水位が上がり、波は大いに揺れ、ほとんどの船が操縦不可能となった。


しかも思わぬ効果で宙に浮いた船が水面に叩きつけられ船底が壊れたものまで出てきたのだ。

混乱している現王軍の船を尻目にそのまま王都へ向かう。


「なあケン!さっきの必殺技カッコよかったな!」

「おっ!リントンならわかってくれると思ったよ!」


「ヨォ!私もカッコいいと思ったヨォ!」


「妹、惚れた男の為とはいえ嘘よくない、本音は?」


「ダサさも可愛いYo!」


港の兵士達を制圧し王都に到着すると、ケン達が想像していたよりは治安が良かったが、決して良いわけではない。


「こっからは別行動だな。皆笑顔で帰るぞ!」


拳を突き合わせ、それぞれ目的地に向かう。ケン達は城へ入り魔王がいる場所へ、勇者の盾は軍本部へ向かい戦争を終わらせる為に。


「待っていたぞ。魔王の左腕マシフが相手だ」


「へえ、まさか入って5分で側近に会えるとは。アンタとは戦ったことないよな。魔王得意の策と数で攻めないのか?」


「ふん。他の魔族は兵士作りに忙しい。それに貴様は殺すなと魔王様に言われてる」


「そりゃ最悪な答えだ、な!」


言葉を交わした最後に合わせて飛ぶ斬撃、飛剣を放つケン。それを軽く躱し距離を詰めようとするが、ナホの氷魔法アイスランスがそれをさせない。


「こうして一騎打ちも出来ないか勇者よ」


挑発してくるが一々それに乗っていたら命がいくつあっても足りない。相手の攻撃をお互い躱しながら一撃を入れようとしている。


マシフがパワータイプならこっちはスピードタイプ。ターン制のゲームならこっちが削り負けるけど、ゲームみたいな現実だ、当たらなければ完封出来る。

全力のスピードを見せるにはまだ早いな。少し探りを入れるか。


「一騎打ちしたらどうなるんだ?魔族は2度と人間に関わらないとかか?」


「それは無理だ。魔王様にしか言えんな。それでも全員従うとも限らんし。そうだな。マシフに勝っても負けても魔王様の元へ辿り着くだろう。魔王様に負けるその時にその女の命は助けてやるぞ?」


くっ!コイツもしかして……

一人称自分の名前か!男女共にそう言うタイプとは仲良くなれない。


「つまりお前を生かさなきゃ意味ないってことだよな?魔王の仲間を増やさせるかよ。それに知ってんだよ。女性を使ってやってることをな!」


マシフの発言の意図を探ろうとしても上手く噛み合わない。ダメ元で鑑定するか。


マシフ

種族:上位魔族

HP:550000

MP:1000


STR:65400

VIT:72000

INT:300

RES:10000

DEX:8000

AGI:6000


スキル:徒手格闘(LV7)


コイツ。もしかして脳筋か。体力と力なら魔王以上だ!


「どうやら私のステータスをみたようだな」


「わかった。一騎打ちに応じるつもりはないが、裏が無さそうだから"ナホ"には手を出させない。だから」


「ああ、その女には手を出させないでやろう」


ナホが後ろで怒ってるが、負けないから応援してくれと頼む。それに魔王相手にどっちも消耗するのは避けたいからな。


地球に、日本に居場所がなかったと分かった時に、八つ当たり半分でモンスターを狩りまくって、確かめたり覚えた技をコイツにぶつけてやる。


マシフに向かい走りだす。小刻みにステップを踏みながら分身してるように見える技だ。グースステップも使い緩急もつける。

カウンターを狙うマシフの攻撃が当たる瞬間、バックステップして空を切らせる。そして水魔法で目くらまし。

その隙に2回全力で剣を振り両腕を切断することに成功した。


マシフに苦悶の表情が浮かぶのを確認してトドメを刺そうと踏み込んだ瞬間。マシフの腕が再生し、しかも2本も新しい腕が増えた。


4つの腕による同時攻撃にケンは腹部を殴られ吹っ飛ばされた。

ナホが回復魔法を使おうとするもそれを制止するケン。まさかの行動にナホは動きを止めてしまう。


「腹部をヤラれたら詠唱もロクに出来まい!無詠唱でどれだけ回復する?内蔵破壊は痛かろう?」

実はこの拙い文で2作品目です。

話が気になった方はブックマークやレビュー、感想等を貰えると励みになります。

誤字脱字多いので指摘して貰えると助かります。

処女作、常識チートは非常識も良ければ閲覧お願いします。

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