反撃開始
倒れてるロンサーに対しケンは罵倒を続ける。
「そもそもお前その程度のステータスでイキって人のことどうこう言えたな?真正面からやりあったらうちの奴隷3人でいい勝負だぞ三下?」
「くっ、こうなったら」
立ち上がろうとするロンサーを更に蹴り飛ばす。ブハァ!と言う声がダメージを物語っている。
「そういうのもいいから。魔族得意のステータス2倍だろ?その後動けなくなるやつ。それ使っても余裕だから」
「クソッ!やはり魔王様の言ったとおり初めから国を支配していれば勇者召喚を防げたものを!」
「話すならその分長生き出来るけどどうだ?例えばオルフェスとセキシンのこととかな。ついでに今の魔王もマオなんだろ?」
「ふん!死ぬのはやはり貴様よ。本当に奥の手を使ってやる!」
その言葉を最後にロンサーはケンにメッタ切りされて死んだ。
もしロンサーがもう少し頭が良く奥の手を宣言せずに使っていたらどうなってたかはわからない。
「さて、こういうのは術者が死んだら解けるって相場が決まってるんだけど」
アンデッドも動かず、政変軍もリントンに殴られてるのは動いてないが、殴られる前の人達は正気を取り戻していた。
「よし!分かればいいんだ分かれば。言っても分からん奴は嫌いだかんな」
どの口がほざくのかという言葉を発しながら1人納得してるリントン。
そんな彼にハイタッチしながらお礼を言うケンに、当然のことをしたまでよと返すリントン。
そんな2人を遠くに見ながら微笑んでる熊を擬人化したような魔族がいた。
「なるほどな、小賢しいだけの魔族を使った甲斐があったものよ。この情報を魔王様に」
「届けさせないわよ。私のケンに仇なす魔族は死になさい!」
本来なら沸騰してるはずの温度を軽く越した高温の水球が熊魔族の顔にまとわりつく。
地球の生き物とは違うとはいえ、魔族は生き物として活動しているのだ。そして何故か熊の魔族は身体が上手く動かせない。
呼吸が出来なければ苦しいし、体外ならまだしも口の中や肺まで千度近い水分で侵されているのだ、苦しくないはずはない。
ケンから貰った槍で何度も刺突して息絶えるまで、息絶えても確実に息の根を止めるため殺し続ける。
「私、足手まといが前に出て戦況を悪化させるヒロインにはなりたくないもの」
この戦争に来るまでの道中、強くなるために一所懸命モンスターを倒しレベルを上げていた。
ケンのようにオールマイティな強さは自分に向いてないと思い、魔法をメインで伸ばしていた。自分が弱点にならないよう体力も鍛えての上だ。
「ステータスの上がり方はケンの言ったとおりね。強い人に付いていくパワーレベリングだと伸びが悪い。けど努力して倒せばその分強くなる。公平なシステム私嫌いじゃないわ」
努力と知恵で格上の魔族を2人でしっかりと倒すナホとエアルゥ。ナホのレベルが一気に4も上がり35までになった。
「簡易ステータスオープン」
HP:5000
MP:7500
STR:450
VIT:1200
INT:6000
RES:5000
DEX:3200
AGI:2800
アイテム生成up、召喚up、無詠唱up、狙撃獲得。
「随分と上がったわね。これがケンの言ってた跳ね上がりってやつね」
「私の魔法を使って魔族を倒すのはケンとしたかったわ。ちなみにその後から暫く伸び悩むわよ」
「知ってるわよ。ありがとうね、あの捕縛魔法のおかげで簡単に倒せたわ。あっ、ケンが戻る前に帰るわよ!いい女って頑張ってる所を見せない物なの」
アンデッド軍を倒してもこちらの被害があるので進行は一度休め、現王軍が来ても押し返す方針に決めたようだ。
ケンとリントンはこの戦いで意気投合し、その晩お酒を飲んで語り合っていた。そして翌朝。
「ねえケン。戦争も大事だけど魔族がこうして邪魔をしてくるなら私もっと強くなりたいわ」
「そうだな。ナホやアリサ、フラセ、シアンに話したあと、勇者の盾に話そうと思ってたことがある」
今の言葉で小さくガッツポーズするアリサ。複数人いてお前たちとか3人とまとめられないで、個人名をケンに言ってもらったのが嬉しかったのだ。
言葉だけではなく心で奴隷の時とは扱いが変わっている、そう確信できたから。
そして、昨日ロンサーが言った初めから国を支配していればという言葉。つまり今の国は魔族が大いに絡んでいるだろうとの推測を話した。
「俺も少し鍛えるから方向性を決めよう。ナホは得意分野八割、苦手分野二割で魔法が効かない相手でも立ち回れるように」
「では私達は?」
「まずは戦いにもっと慣れること。そして連携を常に意識して連携が取れない時はどうするかを考えて戦おう」
それぞれ課題を出されたがナホとアリサだけは言われた以上の事を考えてた。
ケンに言われる前より一緒に戦うにはどうしたらいいかを考えていたのだ。
その為のスキルも既に獲得している。
ちなみにレベルはケン、アリサ、ナホ、フラセ、シアンの順番だ。ナホは一度1まで下がったのでアリサの方が高い。
「でだ、ナホが魔法主体で戦うなら便利なスキルを教えたい。特典と無詠唱の重ねがけだ。皆でこれからモンスターと戦いにいくから試してみよう」
この世界の魔法の原理は誰にもわかっていない。ただ属性と体系が定められていて、本人のイメージに依るところが大きい。
なので集中力を高める詠唱と、この魔法を使うぞという名前が入っていればなんでもいいのだ、。
ファイヤーボールで石を飛ばす奴にオリジナル言語を開発するひねくれ者だっているのだ。
ただ詠唱の文字数が多くなると同じmpと魔力でも威力が高くなることがわかっている。勿論それには限界があるが。
ケンが教えるのは勇者特典の1つ言語理解と無詠唱の合わせ技だ。無詠唱のスキルはレベル10で詠唱を限界まで行っただけの威力を無詠唱で出せる。
レベルに合わせて下がるごとにマイナス補正がかかる。
それを言語理解をあえて切り、日本語で詠唱して最大威力の魔法を悟らせずに使うというものだ。
ナホはまずパッシブスキルみたいなのを解除出来る、しようとしたことに驚く。
「でもそれって詠唱は必要だから隙きになるし、2回目だと魔法名を言った時点でどの魔法が来るかバレない?」
「詠唱するのはケースバイケースさ。魔法名は工夫するんだ。例えば最初は、我がこれから放つファイヤーボールから始まって長々詠唱する、最後に発射の言葉をトリガーにして放つだろ?」
「ええ、それで?」
「次も、我がこれから放つで始めて、長々と詠唱してる途中にライトニングの魔法名を入れて、最後にまた発射をトリガーにする。どうだ?相手はまた炎の魔法が来ると思わないか?」
「ケン。アンタ本当に発想が悪魔的ね」
よせやい。と照れてるが流石に今のはナホでも褒め言葉ではない。感心はしているが。
最後に言語理解を切るとこっちの人の言葉が何言ってるかわからないから、会話が必要な時は危険になるとデメリット説明された。
「私は魔法の他にこれで戦おうと思うの」
そう言って出したのは2丁の銃だった。
実はこの拙い文で2作品目です。
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