結末を見に
数日前に同じ話を投稿してたみたいなので帳尻合わせに2話投稿します。
「あのご主人様。どこに向かってるのでしょうか?」
行き先を言わずに魔道具馬車に乗りこんだ後に奴隷を代表してアリサが聞く。
「ああ、言ってなかったな。戦争に少し手を貸そうかなって。魔族を倒すのに人間達が纏まってないと不便だから」
そんな説明の後ろでシアンはナホに質問をしていた。
「ナホ様ってご主人様とどこで出会ったんですか?」
そんな姦しく平和な道程で、モンスターが現れたら倒し、レベルを上げながら野宿。
そんな日々を送りながら戦争場所の近くまで来たとき変化が起きた。
「アリサ。無理をするな。馬車でもあまり寝ないで野営をお前にばかり押し付ける気はない」
フラセとシアンはまだ1人で見張りを出来ないのでアリサが無理をし始めてきた。
命令したら簡単に済むことだけど、アリサにそれをするつもりのないケンは困っていた。
「ひゃあん!」
いきなり悲鳴をあげるナホに臨戦態勢を取るが、出てきたのはスライムのマーサーだった。
今まで出て来なかったので、ケンですらテイミング解除されてると思っていたが、ずっとナホにくっついて身を守っていたのだ。
「マーサー。テイミングスキルも低く弱くなった俺から離れたんじゃないのか?」
「ホントか?嬉しいこと言いやがって」
「ああ、頼むよ。マーサーの仕事ぶりは折り紙付きだ!」
「と言うわけでマーサーが2日連続で見張りするから1日はアリサ達に頼む。それの繰り返しだ」
「どういう訳よ!」
マーサーはスキルでテイミングされたのではなく、ケンが好きでいるだけだと、スキルなんてオマケで弱いとか低いとか関係ないそうだ。
テイミングスキルの低下によりケンのステータスの1%が上乗せされてる状態だ。
マーサーのレベルは下がってないのでパーティーの中では2位の実力を持っている。
問題も解決しゆっくりと眠る一行。
夜が明け戦争の後方部隊に辿り着いた。歩いていると後ろから聞き覚えのある声に止められる。
「おっ!ケンじゃないか!久しぶりだな。変わりないようで何よりだ。奥さんは元気なったのかい?」
振り返るとリントンだ。元に戻ったケンの後ろ姿で言い当てるとはすごい奴なのでは?
そう思い始めたケン達。そしてリントンの元気な声で仲間達が集まると勇者ケンの姿に驚いた。
これが普通の反応である。リントンには何が変わったのかよくわかっていない。
「どうしたのですか?普通の冒険者になったのでは?」
思慮深そうな斥候の仲間が聞いてくる。彼女の名前はルーシーだそうだ。
5人組のパーティー名は勇者の盾という名前だと熱く語っていた。1人だけは盾じゃなく剣が良いと最後までゴネてた奴がいて説得に困った話までしてくれた。
「リントンさんが言ってくれたじゃないか。この世界は誰か1人に頼んなきゃいけないのかってさ。だからこの世界の一国民として、今の国王に任せておけないから立ち上がったんだ、ランウィさん任せにするのは駄目だし、魔族がいたんじゃ愛する奥さんとおちおち幸せな家庭を築けないなって思ってさ」
するとランウィの娘エアルゥがケンに質問をした。
「ケンって奥さんは何人まで大丈夫?結構私尽くすタイプなの」
「1人です。ケンは私だけしか結婚するつもりありません!
そうね、私とケンの間を邪魔しないで、どうしても何かの理由で私が出来ない時にだけケンの相手してくれる人なら許可します」
ナホは無理難題を言って諦めて貰おうという作戦に出た。こんな条件を飲む女がいるもんか。
これはエアルゥにではなくアリサに向けて言ったものだ。
まぁ、将来子供を産んで育てるときに相手出来ずに浮気されたら嫌だから、その奴隷は許可しようという元彼のトラウマによる打算でもあった。
が、ナホにも想像してない所から声が上がった。
「はい!ご主人様、ナホ様。私そのお妾さんになりたいです!決して邪魔はしませんしご主人様の奴隷だから、どこの女よりも色々安心安全です」
意外と強かな面を見せるシアン。これにはアリサも驚き一歩出遅れたと思う。アリサは妻の座を狙ってるのでシアンの真似は出来ない。
「そうね。とりあえずシアンで締め切るけどケンはわかってるでしょ?」
「あっ、はい」
ナホが敵にならなさそうなシアンを受け入れるも、展開に付いて行けず生返事をするしか出来なかったケン。
わかってるも何も、ナホとしかするつもりはないのだから。
話も纏まりランウィさんに会うように取り付けてもらい。政変本部へと足を運ぶ。
「お久しぶりです」
ランウィさんと話した結果人間との戦争に直接参加せず、この機に色々してくる魔族とモンスターをどうにかすることになった。
そして部屋を与えられたナホと2人きりになったときに現れた。黒い羽の生えたホスト崩れみたいや奴だ。
「お前がケンか?元悪魔もいやがるな。俺と契約して糧になっとけ」
なんて奴だ。幸せな空気を壊すなんて。懲らしめてやりたいが、変にやるとナホを巻き込んでしまう。
「帰れ。俺はもう契約するつもりはない」
「つれないこと言うなよ。それじゃあ何か勝負をしよう。勝てば俺は2度と現れない、負ければ契約だ」
そんなことを言う悪魔に聖魔法ホーリーアローを放つ。
悪魔には核があってそれを壊せば消えるんだろ?知ってるんだ。
「人が話してる時に攻撃してくるなんて、このぉ!悪魔ぁ!」
そう叫び消えていく、名前も知らない悪魔に手を振る。笑顔を忘れちゃいけない。
「流石ねケン。悪魔には話をしないのが一番よ」
もし倒せそうに無い強い奴が来たときの秘策をナホに話しておく。
絶対に勝てる勝負だ。乗った時点で俺の勝ちが決定するようなやつ。でもナホは心配してる。もしそれで負けたらどうするの?と。
あり得ないから大丈夫と言い聞かせる。仮に勝負に乗らなくても他に考えてるとも。
そのケンの説明を聞いてるとき、ナホも考えていた。私の我儘でまたケンを危ない目に合わせたくない。その為には……
ケンと話をして奴隷達にも悪魔の話をしておくべきだと伝えた。多分悪魔は周りの人を巻込むだろうからと。
そしていざ寝ようとした時重大な事に気が付く。誰に聞けばいいのかすら分からない。
「なあ、この世界の結婚ってどんな風にするんだろ?」
実はこの拙い文で2作品目です。
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